タイトル 「天使の羽」 925 それでもふとした時に、思い出すせりふ。「僕のためにメダルをとってくれよ」 ついつい、ニヤけてしまう。 食事をしてても、 スケートの練習をしてても。 鈴音はふと我に返り、 辺りを見渡す。「何、ニヤけてるのよ」 コーチに何度も怒られた。 ニヤけてる自分を見られたら恥ずかしい。「ハハーン……、分かった」 コーチに気がつかれた。