タイトル 「天使の羽」 1019 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず


「そうよ、ひなた、あんた、見合いしなよ」


みさきはあっさり裏切った。


「えっ、嫌よ」


「だって、恋人いないでしょ」


「それはいないけどさあ……」


ひなたの脳裏にふと、翔太の顔が浮かんだ。


「ごめんね、ひなた、お姉ちゃんが不甲斐ないせいで」


ひなたはみさきを睨み付けた。


「赤い糸……」


 ひなたは小指を立てた。


「本当に好きな人と結婚してよね


 って言わなかった、姉さん」


 ひなたの小指の横をみさきは手バサミで切った。


「今、切っちゃった。


 ごめん、ひなた」




みさきが鬼に見えた。



 やっぱり母似だ。


 ひなたはひもを結び直すふりをした。