タイトル「森ガールと盛りあガール」 147 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

「今日もかっこいいね」

バンドのメンバーは最近の桃花の変化をいい方向に向かってると感じてた。

最近は観客の八割以上が女子だ。

しかも若いギャルが多い。

「ギャルばかりだ、今日も」

 桃花は雄たけびを上げた。

 ギャルを見ると、ルカのギャル好き発言が耳をよぎる。

 怒りがメラメラと燃え始める。

 長いチョーキング。

 ギターがないている。

 桃花は体をくねらせて、ギターの先を観客に向けた。

「ギャルはみんな撃ち殺してやる」

 そう叫んで、イントロが始まった。

 一斉に沸き起こる歓声。

桃花は観客の若い女の子に対して敵意をむき出しにした。

そしてギターに火をつけ、床に叩きつけた。

「お前ら、みんな死んじまえ」

そう、桃花が叫ぶと声援がわいた。

ついにはガソリンを口に含んで火を吹くまでになっていた。

「下手に近寄ると、火傷するよ」

 それがいつの間にか、キメ台詞になっていた。

既にカリスマ化し、若い女子の憧れる女性第1位に選ばれるようになっていた。

その原動力が全て若い女子に対する怒りだとしても、桃花は輝いていた。

アンコールもいつの間にか、恒例になっていた。

「アンコール、アンコール」の声に混じって、「ラムちゃん」の声援が飛ぶ。

 しばらくするとトレンチコート姿で、桃花が戻ってくる。

 イントロが始まると、桃花はトレンチコートを脱ぎ捨てる。

 桃花は一気に「うる星やつら」のラムちゃんの姿になる。

桃花は「うる星やつら」の曲を歌い始める。

 曲はバリバリのメタルにアレンジされていて、会場は最高潮に盛り上る。

 最後にギターの先を会場に向けて、「ダーリン、お仕置きだっちゃ」と言うのが最後の決めセリフになっていた。