タイトル 「天使の羽」 618 そういう意味じゃ、 沙希の存在は 鈴音にとって 宝なのかもしれない。 今の鈴音はある意味無敵だ。 自分のためでなく、 沙希という少女のために 努力をすることを 苦と感じていない。「やっぱり、あの娘はつかえる……」 鈴音のジャンプを見ながら、 畠山は思わずつぶやいた。 畠山の頭の中に 沙希という足の悪い娘は 武器になる。 そんな感情がうまれるのは 勝負師として 仕方ないことなのかもしれない。