タイトル「森ガールと盛りあガール」 144 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

「不満だらけだ!!」

 桃花は大声をあげた。

最近、桃花は文句を大声で連呼するようになった。

愛海に言わせると、二人の距離が近づいた証拠だって言うけど、不安だらけだ。

最近の一番の不安要素、それはやっぱりルカの浮気心。

とくに気になること。それは、ギャル曾根だ。

「ギャル曽根ってすごいよな」

今頃になって、ギャル曽根にはまってる。

テレビで大口を開けて食う女を見ると、

「おいしそうにご飯を食う女って、思わず、見ちゃうよね」なんてこと言うわけ。

 大体なんでいまさらよ。

 ずっと前からテレビに出てるじゃないの。

ブスだし、ギャルっていう割には、老けてそうだし。

でも気になるのよ。

ルカが森ガール好きだから、大盛りガールも好きなんじゃないかって。

だって駄洒落で恋しちゃう彼だから、やっぱ心配じゃない。

だから私もなるべくいっぱい飯を食うようにしてる。

おかげで少し太った気がする。

愛海はそんな私を見て、「何、幸せ太り」なんて冷やかすけど、実は結構気にしてる。

「ねえ、ルカ」

「何?」

「ルカって、デブ専なの?」

「どうして?」

「だって大食い女が好きなんでしょ?」

「えっ、そんなこと言ったっけ」

「だって、ギャル曽根、好きみたいだし」

「違う、違う、ギャル曽根が好きなんじゃなくて、ギャルが好きなんだよ」

「はあ?」

ギャル好きだったの。

だからキャバ嬢が大丈夫なんだ。

「だって可愛いじゃないか、キャピキャピしてて」

結局、若い女子が好きなのかもしれない。

「私だって、充分若いでしょ」

 そうだ、私だって、まだ十代なんだから。

「だって桃花って今さら、ギャルって感じじゃないでしょ」

 それは私がおばさんだって言いたいわけ。

 顔が老けてるって言いたいわけ。

 もう、森ガールなんて無理があるっていってるわけ。

 コスプレして、頑張ってる私を全否定する気!