仕事のスケジュールを開けられず、通夜に少し顔を出すのが精一杯だった。
そこには神妙な顔の山ちゃんがいた。
舞ちゃんが桃花を見つけて走ってきた。
「桃花、遊んでよ」
舞ちゃんにはまだ愛子さんの死を受け入れられていないのかもしれない。
桃花は笑顔で舞ちゃんと遊んだ。
ふと舞ちゃんが黙り込んだ。
そして急に泣き出した。
やっぱり分かってたんだ、そりゃそうだ、小学生だ、分かってるだろう。
それでも我慢してたに違いない。
桃花も思わずもらい泣きしてしまった。
母親に似て気丈な子だ。
愛子さんは白血病なのに、そのことを気付かないほど普通だった。
きっと相当辛かったに違いない。