タイトル 「天使の羽」 772 その日の鈴音の 背中には羽がはえていた。 翔太が背中を 軽くポンと叩いた時、 翔太の翼が鈴音に のり移ったのかと思った。 体が軽い。 宙を舞う。 そう、この感覚。 絶好調の私。 予選は完璧に近い演技で終了した。 こんなに緊張から 開放されたことは初めてだ。「完璧だわ」 畠山は思わずため息を漏らした。