タイトル 「天使の羽」 974 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず



「あれで良かったのかしら。


 一度は沙希ちゃんを捨てた父親よ」


 医師や看護師たちは


 口々にそのことを話題にした。


 多くが拓海に預ける事に批判的だった。


「沙希ちゃんがそれを望んだんだから」


 と、肯定派も「しょうがないのよ」と、


 けして、「その方が良かった」とは


 口にしなかった。


「そうね、きっとそうね、


 良かったのよ」


「だって本当の親子なんだし、


 里親と暮らすよりはね」


 と、みんな無理やり


 納得させようと必死だった。


 その根源にあるのは、


 拓海の虐待を心配する気持ちに他ならない。