「そうだ、実はさ、頼みたいことがあるんだ」
ボディガード雇ってあげたからと、桃花は愛海に蘭子を紹介した。
愛海は蘭子にビビッていた。
「怖い」思わず、愛海は声をあげた。
「こいつらがボディガードについててくれるから、見に来なよ。私のライブ」
「よろしくね」
蘭子は思いっきり可愛く言ったつもりだったが、思わず、愛海は桃花の腕にすがりついた。
蘭子は普通に挨拶したのに、愛海は震えが止まらない。
ダメだ、こりゃ……。免疫なさすぎだ。
でも桃花さんは大丈夫なんだ?おかしくない?
それって私の森ガールっぷりが本物ってことかな。
桃花は少し嬉しくなった。
「大丈夫、ライブハウスって全然怖くないから」
大変だな、父親と会わせるのも。
「それに最近は女子のファンのほうが増えてきたし、森ガールもいっぱいいるから」
「そうなの?」
初めて愛海が興味を示しだした。
「こいつらが一番ガラが悪いくらいだよ」
「桃花さん、ひどい」
「だって事実だろ」
「そうだけどさ」
「だから大丈夫、見に来なよ、コンサート」
「うん、分かった。実は見てみたかったんだ」