女専用 | 乞食blog

女専用

朝、役所からケースワーカーだという女がやってきて、
ずっとカズ姉と話込んでいる。
女だけが入れるという施設に空きができて、
そこに申し込まないかということらしい。

健康診断で問題なければ、ホームの寮母など、
適性に合わせて仕事の訓練や斡旋もしてもらえるということだ。

いい話ではないかと思うのだが、
「うちのと一緒ではダメなんですか」
とカズ姉は当然受け入れない。

それを聞き入れるということは、
キンさんと離れるということになるからだ。

一度、自分がしっかり自立して、
部屋を借りてそこにキンさんを呼び寄せてということで、
その手の施設に入ろうとしたことがあるらしい。

そのとき、キンさんがきちがいみたいに暴れて
カズ姉を殴る蹴るでひどいことになり、
大騒ぎになったことがあった。

「2度とわたしがここに戻ってこれないように、
すっきりと新しい暮らしができるように、
わざとそんなことしたんだ。そんな人を置いて出て行けない」

カズ姉は、そういって施設行きをやめてしまった。

「目先のさみしさにとらわれて、
ちょっと先のことが辛抱できない」
自分とキンさんは、そんな似た者同士なんだと、
カズ姉が話していたことがある。

カズ姉のところに、ケースワーカーが来ていることは
キンさんには黙っていようと思った。
そんな話を聞いたら、今度こそキンさんは、
この冬を暖かい施設で過ごせるように
カズ姉を半殺しの目にあわせるかもしれない。

ケースワーカーの女が、

「暴力をふるわれたり、ひどい扱いをうけている場合は、
定員の関係ない一時預かり施設がありますからね」

と、周辺の人間にそれとなく、
カズ姉が殴られたりなんだりしていないかを聞き込んだりが、
キンさんの耳に入らないように、注意していくしかないだろう。