続・パンパーティー | 乞食blog

続・パンパーティー

少しずつ体を動かして暖めつつ、
ゆっくりと目を覚ましながら起き上がり外に出る。

山ちゃんは、相変わらず上機嫌で、
あちこちにパンパーティー!と声をかけて回っているようだ。
立場を忘れて少し浮かれ気分の自分に戸惑いながらも、
今日くらいは、と割り切って楽しむ事に。

キンさん、カズ姉、山さん、ノリさん、
こうりゃん先生、ナベさん、センさん、ヨっさん・・・
知った顔が続々と、何かを手に集まってきた。

ジャム、マーガリン、はちみつ、カレー、水あめ・・・
皆いろいろと溜め込んでいるなぁと関心しながら、
様々なものを塗ってパンを楽しむ。
なかなかに優雅な昼飯である。

「パンパーティーか!なんかパンティーみてぇだな!」

センさんの下品な駄洒落も絶好調だ。
ある程度満腹になった後は、
その場で皆と話し込む。たわいの無い話や、
これからの話、そしていなくなった仲間の話。

日が暮れ、腹もこなれた頃、
ヨシさんがフライパンとガスコンロを手にやってきた。
そのまま夜のパンパーティーが始まる。

ヨシさんは、まず手始めにと、
余ったパンをバターとにんにくでカリっと焼いてくれた。
なかなかシャレた味で美味い。

どこからか酒が入る。
日本酒、焼酎からワイン、気は抜けているが
シャンパンのようなものまである。
皆本当に色々拾って溜め込んでいるんだなぁと、改めて驚く。

最後にヨシさんは、こうりゃん先生が持ってきた
リンゴを甘く焼いて出してくれた。
酒も入り上機嫌のカズ姉は

「あぁ、なんか外国のあそこにでも行った気分だよ!」

とうっとりした様子でキンさんにしなだれかかっている。
キンさんも「ベタベタすんなよ!」と言いながらも
まんざらでもない様子だ。

少し離れたところから楽しそうな皆を眺めていると、
いつの間にか隣に座っていたこうりゃん先生が

「楽しいですねぇ。本当に楽しいです。
でも現状に満足しては決していけませんよ。
今日は特別なんですから。」

と、優しくもはっきりとした口調でつぶやいた。
そうですね、と返事をしてふと我に返った。
今日は特別なのだ。こんな日は本当に特別だ。

今年の冬も何人か仲間を失うだろう。
明日だって食べ物にありつけるか解らない。
そして自分も皆もこんな生活をいつまでも続ける訳には行かないのだ。

乞食は3日やったらやめられない。
そんな言葉を思い出した。