山さんの様子が変だ | 乞食blog

山さんの様子が変だ

いつかの梅干の礼を言いに山さんのハウスへ。
外から呼びかけてもなかなか出てこないので
ちらっと中を覗いてみると、
緑のジャンパーを頭から被り
横になった山さんが小刻みに震えていた。

これはただ事ではない。
そう感じ、山さんへ近づこうと
ハウスに足を踏み入れた瞬間だった。

「入るな!」

突然山さんの怒声が響いた。
ビクっとして足が止まる。
少しだけこちらに目をやり、
テントに入ろうとしたのが
私だと気付くと、山さんは
また同じようにジャンパーを被り

「ゴメン。何か風邪っぽくて。
うつしちゃアレだと思ったから。今出るから」

と呟くように言った。
外に出てしばらく待っていると
ブビーっと手鼻をかむ音が何度か響いた後
いつもより少しだけほんのり赤く色づいた山さんが出てきた。

「ごめんごめん!風邪引いちゃってさ!ホラ、アレだから!
家ん中バイ菌がウヨウヨでヤラれちゃうから!」

いつもの口調で笑いながら言う山さん。
山さんに何があったかは知らないし、聞く気もない。
ひたすら気丈に振る舞う山さんの気持ちを思うと、
無神経で間が悪い自分がただひたすら恥ずかしかった。