温かく冷えたタコヤキ
夜はめっきり冷え込むのでしんどい。
灯りに誘われるように駅前へ。
駅前の一角にたこ焼き屋が店を出していた。
ふらふらとたこ焼き屋に近づいていく。
どことなく暖かかい。きっと電動機やライトのせいだろう。
近くのベンチに座り何気なく威勢よくたこ焼きを売る
テキ屋の兄ちゃんを眺めていた。
「いらっしゃい!・・・2つですね!800円になります!・・・毎度ッ!」
家路を急ぐ会社員たちの波に威勢のいい声が響く。
ひっきりなしにお客さんが来る。
こんな寒い日は暖かいたこ焼きを食べたくなるよなあ。
そうこうする内にお客さんの波が切れた。
ようやく一段落といった面持ちで、
テキ屋の兄ちゃんが僕の隣に座って、一服し始めた。
よく見ると兄ちゃんのエプロンはメリケン粉で所々白くなっていた。
顔にもちょっと粉がついてた。
思わず可笑しくなって、ちょっと笑ってしまった。
「何、笑ってるんだよ」
テキ屋の兄ちゃんがむっとしてこちらを見る。
吸いかけの煙草をもみ消して、
立ち上がったのでビクッとしたが、
兄ちゃんはまた店に戻ってさっきと同じように
たこ焼きを売り始めたのでホッとした。
体が冷えるので、そろそろ公園に帰ろうかと思って、
立とうとした時、
「これやるよ、ちょっと失敗しちゃったやつだけどさ。」
見ると片手に少し形が崩れているけれど、
焼きたてのたこ焼きを持った兄ちゃんが立っていた。
「えっ?・・・いいの?」
「そんなとこに座り込まれちゃ、商売にならない」
と、ムッとした顔の兄ちゃん。
お礼を言って、ありがたく頂いた。
心底冷えた体が贅沢な贈り物を手に提げ、
犬のように追い払われて前に進む。
「もう来んなヨ!」
背中に追いかけるような声。
でも、たこやきは暖かく、しみるようなおいしさだった。
「心までは届かない施しのぬくもりで胃の腑を満たす長い夜」
灯りに誘われるように駅前へ。
駅前の一角にたこ焼き屋が店を出していた。
ふらふらとたこ焼き屋に近づいていく。
どことなく暖かかい。きっと電動機やライトのせいだろう。
近くのベンチに座り何気なく威勢よくたこ焼きを売る
テキ屋の兄ちゃんを眺めていた。
「いらっしゃい!・・・2つですね!800円になります!・・・毎度ッ!」
家路を急ぐ会社員たちの波に威勢のいい声が響く。
ひっきりなしにお客さんが来る。
こんな寒い日は暖かいたこ焼きを食べたくなるよなあ。
そうこうする内にお客さんの波が切れた。
ようやく一段落といった面持ちで、
テキ屋の兄ちゃんが僕の隣に座って、一服し始めた。
よく見ると兄ちゃんのエプロンはメリケン粉で所々白くなっていた。
顔にもちょっと粉がついてた。
思わず可笑しくなって、ちょっと笑ってしまった。
「何、笑ってるんだよ」
テキ屋の兄ちゃんがむっとしてこちらを見る。
吸いかけの煙草をもみ消して、
立ち上がったのでビクッとしたが、
兄ちゃんはまた店に戻ってさっきと同じように
たこ焼きを売り始めたのでホッとした。
体が冷えるので、そろそろ公園に帰ろうかと思って、
立とうとした時、
「これやるよ、ちょっと失敗しちゃったやつだけどさ。」
見ると片手に少し形が崩れているけれど、
焼きたてのたこ焼きを持った兄ちゃんが立っていた。
「えっ?・・・いいの?」
「そんなとこに座り込まれちゃ、商売にならない」
と、ムッとした顔の兄ちゃん。
お礼を言って、ありがたく頂いた。
心底冷えた体が贅沢な贈り物を手に提げ、
犬のように追い払われて前に進む。
「もう来んなヨ!」
背中に追いかけるような声。
でも、たこやきは暖かく、しみるようなおいしさだった。
「心までは届かない施しのぬくもりで胃の腑を満たす長い夜」