水槽/中島愛
歌 中島愛 作曲 矢吹香那 作詞 新藤晴一
僕にも来るのかな? 自分を赦せる日が
今まで罰してきた ずっと背負ってきた 黙ったまま
真水の水槽に放たれた熱帯魚のよう
尾ビレを揺らしているけど 泳いでいるわけじゃないんだ
溺れて身をよじっている
遠い海からかすかに届く 潮騒はけして幻じゃないはず
ただ僕は耳を澄ましているよ クジラたちが声を合わせ歌っている
喜びの歌
僕には選べない この眼に映るものを
今も残像が 胸に貼り付いてる
紅に染まってく 夕日が今日を過去にする
まだ見ぬ真新しい朝 孕んで闇夜よ深くなれ
冷たい夜風にも耐えよう
膝を抱え泣きじゃくるほどに 僕はもう弱くもないんだけれど
この世界がどんな人にとっても 素晴らしいものだと 言えるほどに強くは
なれてないんだ
不安は誰にもあるって本当? しがみついていい時もあるってこと?
もしそれが本当ならもうちょっとはこの水槽の中 泳ごう 空気を探して
もうちょっと
遠い海からかすかに届く 潮騒はけして幻じゃないはず
ただ僕は耳を澄ましているよ クジラたちと声を合わせ歌えるかな
喜びの歌

髪飾りの天使/中島愛
歌 中島愛 作曲 吉澤嘉代子 作詞 吉澤嘉代子
髪を梳かして 飾りを挿した
翠に刺繍の蕾が零れる 私の天使
やわらかな手が 額を伝う
この世のひかりを集めて生まれた 私の天使
熱にうかされて
愛おしい気持ちを編んでゆく 小さな小さな生活が
あなたとわたしを導いて 結んで解いて家族をつくる
嘘をついても 見破られるわ
いつでもあなたは甘くて冷たい 私の天使
言葉の海を泳いで
愛おしい時間を編んでゆく 大きな大きな存在が
あなたとわたしを導いて 結んで解いて家族をつくる
本の中に生きていた 心がとけだして 確かに今 世界にふれた

夏の記憶/中島愛
歌 中島愛 作曲 三浦康嗣 作詞 三浦康嗣
さっきまでの夕立 ピタリと止んだ嘘みたい なのに
ルビー色の 息苦しい 大きな月
ため息に似た欠伸
肌にまだ残る 夏の記憶
寄せては返し砂浜濡らす度ひりつく さざなみ
いま部屋を満たしはじめた窓からの闇
まわる
頭の中
まわる まわる
部屋の隅のレコード
まわる まわる まわる
壁の時計 チクタク チクタク
まわる まわる まわる まわる
窓の外の季節 その時
空に花火
夏の終わり
祭囃子
夏の終わり
いつのまにか 飛び出してた
街の灯 いつもよりも
鮮やかに 鮮やかに
いつになく わたしを
照らしてる
まわる
あの夏の日から
まわる まわる
寄せては返す 波のように
まわる まわる まわる
何度 季節 通り過ぎていった
まわる まわる まわる まわる
そしてまたいま思い出す
空に花火
夏の終わり
祭囃子
夏の終わり
打ち上がるたび
嘘みたい
晴れる気持ち
夏の終わり
いつのまにか 夜が明けてた
朝の光 いつもよりも
鮮やかに 鮮やかに
いつになくわたしを
照らしてる