
「限りなく透明に近いブルー」の村上龍が原作・脚本・監督を担当した1983年製作のSFコメディです。
秋の初めの昼下がり、ミミミとハチとモニカのいるプールに、宇宙人ゴンジー・トロイメライが落ちてくる。三人に匿まってくれと言うゴンジー、彼は遺伝子工場とファミリーレストランと精神病院のチェーン店を持つ「ドアーズ」という組織から追われていた。ドアーズは、ゴンジーの体細胞の一片を採取し、人工単性性殖による超人のコピーを造ろうとしていた。生まれ故郷に帰りたがっていたが、飛べなくなってしまったゴンジーを3人が助け、サイパンでの飛行回復訓練を始めるが…
「星と月は天の穴」で咲耶さんのヌードを観たら広田レオナさんの爆乳が観たくなって、この作品を観てみました。ちなみに広田さんの爆乳はオープニングのみです。
ハリウッドスターのピーター・フォンダが主演していたり、悪の組織ドアーズのメンバーが根津甚八さんがリーダーで岸部一徳さんと団時朗さんや刈谷俊介さんだったり、チョイ役でタモリさんとか小松政夫さん、高橋幸宏さん、武田鉄矢さんまでいてなかなかのハチャメチャさです。
主人公グループは若き渡辺裕之さんと広田レオナさん、あと誰だかよくわからない乃生佳之という俳優。
音楽のメンバーがすごくて加藤和彦、桑田佳佑、来生たかお、高中正義、そして坂本龍一さんです。「戦場のメリー・クリスマス」の1か月ほど前にこっちが公開しているのにも注目。
主題歌の「だいじょうぶマイ・フレンド」は妙に耳に残るメロディで名曲だなと思っていましたが加藤和彦さん作曲・安井めぐみさん作詞という「不思議なピーチパイ」の名コンビによる曲でした。
内容的には村上龍なりの「地球に落ちてきた男」をやりたかったのか?
この作品はキティ・フィルムの製作でやっぱりキティ・フィルムの映画ってどこかネジが外れているような変な作品が多いですがこの作品もいかにもキティ・フィルムらしい内容でした。
ちなみにキティ・フィルムの代表作は原田眞人監督の「さらば映画の友よ インディアンサマー」、相米慎二監督と薬師丸ひろ子さん主演の「翔んだカップル」、「セーラー服と機関銃」、「ションベン・ライダー」、多賀英典社長が監督した「プルシアンブルーの肖像」、松田優作さんが監督&主演「ア・ホーマンス」と一筋縄ではいかない作品が山のようにあります。
クライマックスはけっこうド派手でこんなでたらめな内容にここまでお金をかけて作ったキティ・フィルムは「うる星やつら」などのアニメで儲けた分をこういう趣味の映画にぶっこんでいたんだろうなあと思います。
ちょいちょう入る変なミュージカルシーンとか変過ぎて楽しいです。永遠に再評価されることのない作品と思いますが、改めてみるとけっこう楽しめました。