VMネットワークアダプタ検証:ブリッジ接続 

 これまで、各ネットワークアダプタの接続についてまとめてきたが、実機での検証ということでVMを作成し実際に設定を行っていく。

 条件

 ・仮想化ソフトウェア:VMware Workstation Pro 17

 ・作成VMのOS:Windows11

 

ブリッジ接続

 ブリッジ接続に関して、これまで外部ネットワークへの接続がスムーズにいかなかったため、原因について改めて突き止めていく。

 目標は「インターネットへ接続」と「プロミスキャスモードのセキュリティリスク」について。

 

point1

 まずはネットワークアダプタでブリッジの選択。

ここで「物理ネットワーク接続の状態を複製」にチェックをする。

これはVMがホストのネットワーク状態を反映するために必要で、例えばWiFIの接続状況の変化やDHCPのリースの更新などが反映されることで安定した接続を可能にする。(ノートPC等持ち歩く場合重要になる)

逆にチェックを入れない場合は、企業内ネットワークなど固定のIPを使っている場合などがあげられる。

 

しかしこれまでもそうだったが、これだけではブリッジ接続が上手く繋がらない。

【ネットワークアダプタやVMが正しく設定されているか】

・ VMwareの仮想ネットワークエディタでVMnet0が表示・選択されているか

  ホストの接続先のアダプタを自動ではなく明示しているか

・ ホストでVMware Bridge Protocolの確認。コントロール パネル\ネットワークとインターネット\ネットワーク接続で該当のネットワークアダプタを編集する。

・ Firewallのオフ(VM、ホストのどちらも)

・ ホストのpNICになるWiFiアダプタの無効→有効の再起動

・ cmdでVMware Bridge Controlの再起動。

・ ホストがVPNを使用している場合、VPNとの競合の可能性の確認

今回は、上記いずれも効果なく、引き続きネットワークは接続できないままだった。

 

 一旦、接続できない理由について改めて確認し、VMのIPが「169.254.xxx.xxx」であることを確認。このアドレスはDHCPサーバーが無いネットワークでWindowsが自動で割り当てるものである(APIPA)

 つまり、VMはDHCPサーバーに繋がっておらず、ホストと同じネットワークに所属できていないことになる。

 

 確認のためVMのIPアドレスを手動で設定したところ、問題なくホストとも外部のネットワークとも接続できた。

 DHCPサーバーとつながり、IPアドレスさえ取得できれば通信できることを確認。

 しかし静的にアドレス設定すれば、冒頭にも上げた通りホスト側のネットワーク環境次第で接続できなくなるし、またIPアドレスが同じネットワーク内で重複する可能性もあるため望ましくない。

 

 仮想スイッチで、VM、ホスト、DHCPサーバーの通信が届いていない可能性が思い当たり、ネットワークパケットを全て受け取る「プロミスキャスモード」の設定が上手くいっていないのではないかとプロミスキャスモードの有効化を行った。

 今回は、VMwareの構成ファイルであるvmxファイルを編集し、「ethernet0.promiscuous = "accept"」を追加したが、それでも状況は変わらなかった。

 

 一つの懸念として、ルーター側の問題があるのでは?という疑問が上がったため、それを確認することに。

 確認方法として、ホストでARPテーブルの確認を行う。想像通りARPテーブルにVMのMACアドレスはなく、DHCPサーバー=ルータ側の設定などに起因している可能性があるため、急遽スマホのテザリングで通信してみることに。。。

 

 結果、インターネットに接続できました。

 同じネットワークアドレスなのが確認できる。

 

今回は現在の環境的にルーターが原因であると言えると思うので、後日別環境で検証してみるのと、ルーター管理者が分かれば設定について確認してみる。

 

本日は、時間的に以上となってしまうが、

次回「プロミスキャスモードの有効化」に伴うリスクについて考えたい。   
また、NAT、ホストオンリーでの検証も残っているので、明日はまとめてできればと考える。