日本振興銀行(東京都千代田区)の銀行法違反(検査忌避)事件で、金融庁から出資法違反の疑いを指摘された商工ローン大手「SFCG」との債権取引について、振興銀の取締役会が、実際は不正融資にあたる「偽装取引」と知りながら承認していたことが13日、関係者の話で分かった。取引は振興銀側が融資の金利を得る目的でスキーム(仕組み)を考案、SFCGに持ち掛けていた。

 振興銀の執行役(当時)が主導して削除したメールには、主にSFCGとの取引に関するやりとりが記載されていたとされる。警視庁捜査2課は、金融庁の検査で違法性が指摘されることを恐れて隠蔽(いんぺい)工作を図ったとみて、取引の実態についても解明を進める。

 振興銀は平成19年ごろ、SFCGから中小企業への貸出債権を買い取り、債権を回収するビジネスを始めた。しかし債権の多くが回収不能となり、20年末から21年1月ごろの間にSFCGから約100億円の債権を買い取った際、1カ月後に買い戻すよう要求。この取引で3億円超の「手数料」を得たとされる。

 振興銀関係者によると、同行は中小企業向け融資が伸び悩み、業績が悪化していた。このため、メール削除を主導した元執行役を中心に、SFCGを実質的な融資先とする債権取引を考案。融資として同額を貸し出した場合、出資法が定める上限(29・2%)を上回る金利を得ることになり、同法に抵触するため、債権取引を装う形でSFCG側に持ち掛けたという。

 この取引スキームは振興銀の取締役会で承認された。取締役会には木村剛前会長(48)も出席していたとみられる。

 SFCGは当時、資金繰りが悪化しており、一時的に多額の現金が入ることから取引に応じたという。

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