性同一性障害(GID)と診断され、大阪医科大付属病院(大阪府高槻市)で乳房切除手術を受けた立命館大大学院生の吉野靫(ゆぎ)さん(27)が、手術ミスで皮膚が壊死(えし)したとして同病院に約3300万円の損害賠償を求めた訴訟が京都地裁で和解した。吉野さんが24日、京都市内で記者会見し、発表した。病院側が説明の不備を認めて慰謝料330万円支払う。

 訴訟資料によると、吉野さんは02年から、同病院専門外来(ジェンダークリニック)に通院。06年5月に形成外科で手術を受けた後、縫合部が壊死し、07年3月に提訴。手術に関する説明義務違反や過失の有無、精神科と形成外科の連携が十分だったかが争点だった。

 和解は吉川慎一裁判長の勧告によるもので、病院側が両科の連携についての改善点を説明することや、吉野さんが医師らに対して意見陳述する場を設けることも盛り込まれた。

 吉野さん側によると、GID医療を巡る初の訴訟で「勝訴的和解」と評価している。吉野さんは「受け入れ病院が少ない上、技術的にも海外などと比べると劣っている現状を改善するきっかけになったと思う」と話した。

 病院側は「コメントはしない」としている。【熊谷豪】

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