連立政権からの離脱を決めた30日の社民党全国幹事長会議。「当然」が多数意見を占め、反対や慎重意見を表明したのは新潟県連などわずかだった。離脱派が圧倒的多数を占める中、「急がない方がいい」と考えながらも意見を表明できず、複雑な表情のまま会場を去る県連幹部の姿も。今夏の参院選、さらには今後の党勢への影響はどうなるのか。連立政権発足から8カ月。社民党は大きくカジを切った。【曽田拓、福永方人、袴田貴行】

 会議は東京都内のホテルで約3時間にわたって行われた。報道陣に公開された冒頭のあいさつ。白いスーツ姿で臨んだ福島瑞穂党首は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を「社民党の一丁目一番地」と位置づけ、罷免に至る経緯を説明。会場内からは拍手がわき起こった。

 沖縄県連からは、仲村未央(みお)書記長が発言。「辺野古移設断念を求める意思を党首が貫いて党全体で確認したことが県民を勇気付け、励ましている。この方向性を完全に否定された罷免を受けては当然離脱ということになろう」と、離脱を支持した。

 出席者によると「9割方は離脱支持」。その中で、今夏の参院選で改選議員を抱える新潟県連の田上敏幹事長は、会場で報道陣に対し、「政権離脱は、行き過ぎでは。(民主、国民新との)3党間で基本合意している政策の達成への努力と、憲法を変えさせないためにも政権にとどまり、引き続き頑張っていくべきではないか」と慎重姿勢を示した。

 滋賀県連も内部では離脱は慎重にすべきだとの意見が多数だったが、小坂淑子県連代表は「連立維持は少数意見で、(会議で)発言できなかった」。「福島さんの行動はとてもよろしい。しかし、社民党の党員数、力量など地元の状況を考えると、滋賀の場合、離脱は急がない方がいいという方向に傾いた」と、現状や今後への不安を漏らす。

 また、今回の離脱決定で、次期参院選に影響も懸念されるが、選挙区に前衆院議員が出馬予定の岸田清実・宮城県連幹事長は「影響は特に考えていない」。

 同様に選挙区で前衆院議員が立候補する埼玉県連の中山茂幹事長は「平和の問題という社民の基本中の基本で、党として筋を通したということでいけば、市民の支持は得られるのではないか」と、強気の見方を示した。

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