安倍首相が改心するとき | ずるずると道・郷・話を愛でる

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世の中は選挙モード、参議院選挙ポスターの場所を確保され、投票整理券も届きつつある昨今であるが、投票への気を引く活動もいろいろある。

特に、この界隈で話題になっていたのは、次の本である。

 

 

参照:国民所得を80万円増やす経済政策

「15~20兆円の補正を」 首相ブレーンが提言へ 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H0L_Y6A610C1NN1000/ 
 安倍晋三首相の経済ブレーンの一人である藤井聡内閣官房参与(京大教授)は今月下旬にも出版する著書で、2016年に「15兆~20兆円程度の財政政策が必要」と大型補正予算案の編成を提言する。首相は同著書の帯で「日本経済再生に必要な、具体的かつ実践的な提案だ」とのコメントを寄せている。(後略)』

 

選挙と関係ないタイミングでこの本が出ていたらもっと、素直におっおっ、と思って、いろいろ考えを巡らせることもあったかもしれない。しかし、この選挙前のタイミングである。しかも、政権御用新聞と呼ばれて久しい日経新聞からのこの手の記事は、本の帯が狙ったことを加速させる効果を狙っているということであろう。

 

この本の帯の内容から見える意図は2つが考えられる。

 

(1)本当に日本経済がやばいので、財政出動するように政策全体を転換する。

(2)財政出動してほしいという声も多く聞かれているので、やるかどうかは不明だがそいつらの支援も取り付けたい。

 

安倍2次政権以降の対応を考えると、

★機動的な財政政策(第2の矢は1年で終わり)、

★ぶれない自民党(TPPに参加しないとポスターに書いていた)、

★岩盤マン候補が出た前回の参議院選挙(そのあとの身の変わりよう)、

★国土強靭化基本法成立(担当大臣もどんどん兼任増大で権限もやる気もなくなる)、

★北朝鮮拉致被害者救出(大臣無力化、ブルーリボンも軽視)、

★尖閣諸島を守る(中国艦船に領海蹂躙)、

★苦渋の決断の増税決定(消費税8%へ増税、俺は悪くない民主党が悪いとか)、

★外国人労働者は移民ではない(ごひいきな番組で表明)、

★国家戦略特区(国境にこだわらない結果、外国人奴隷商人盟友竹中平蔵に同調)、

★インバウンド政策(爆買い、民泊)、

★単年度黒字(PBを2020年までに黒字。本当はデフレ脱却したくない?)、

★たのんでもいないこと(年金運用機構GPIFの資金で株価UPを演出するも実質外資にくれてやっている)

★東京オリンピックプロジェクト(しょぼい箱もの)、

★「従軍」慰安婦問題の解決(例の日韓合意、外国人への誹謗中傷スピーチのみ規制法)、

 

政権当初に期待されていたものが、次々と裏切られることが続いている。

この手の政策変更?に対して、その時々の「新しい判断」と称してなんでもやります宣言をしているところが何とも言えない。

こういう前提において、いままさに、その帯を見たところで、それ本当にやるの?と思うのは正常な神経を持っていれば、当然のことであろう。

 

進撃の庶民が、第2次政権の1年前、民主党政権だった時代に放送した話題の西田昌司、安倍晋三両名が共演した、放送がある。リ=ブログ記事にもあるが改めて貼っておこう。いいこと言ってます、本当に。

参考サイト:超弩級アベちゃん傑作過去動画【朝刊進撃】

 

このVTRを全部見返しているわけではないが、いいことは、大方裏切られた結果とはなっているが、まあ正直な、今の行動とは矛盾しないことも言っている。民主主義だからといって多数決でなんでも決めていいわけでもない。民意をそのまま実現するというのも違うとか。たとえ、民意が景気が悪いから財政出動、消費税減税、規制強化を訴えたとしても、正しいのは俺たちだ・・といって、無理矢理やらせることも大事だ。とかそんな趣旨だったような気もする。

 

自分への戒めの気持ちを込めて、言ってしまうが、だからといって、穴だらけの説明で、もはや説得する気すらない状況を作ってしまっても、納得するはずもなく、裏切られた感だけが募っていくのである。ましてや、人民日報よろしく都合のいい情報だけを選択的に出して、アベノミクスは成功しているという演出がすでに茶番劇となっている状況で、どう信用せよというのだろうか、世耕さん。

 

 

 

唯一、信用を取り戻すための方法がある。

それは、謝罪である。頭を垂れて、すいませんでした、いままでで間違っておりました。

そういう会見を開いたうえで、その反省をもとに政策を元に戻していくのである。

 

もちろん、そんなことを期待していないからこそ、書いてしまうのであるが、そこまでする必要があるほど、いろんなものを蹂躙してきて、政治家に対する主に信用の面で基本的な考え方が懐疑的になってしまった、というのは大きい。信用を築くのは時間がかかるが、壊すのは簡単なのだ。今回の信用を崩すというのも、希望的観測のおかげで相当遅延されていたと思われるがそれもお構いなしで、壊しまくったところが、ある意味、米国からの空襲にあった都市のような破壊力だった、ということなのである。復興には時間とそれを押し返す力が必要である。