Animal Collective (アニマル・コレクティブ) - 「Feels」 | あれこれ何とか好奇心

Animal Collective (アニマル・コレクティブ) - 「Feels」

ちょっと聴くのが遅くなったけど、やっぱり素晴らしいアルバムですよ!


Animal Collective
Feels

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10月に発売になった NYのAnimal Collective (アニマル・コレクティブ)のニューアルバム「Feels」。

しかし、どうやって文章にして良いやら。。この不思議な音の集まりを。。

ポップス」とか「ロック」とか「シューゲイザー」とか「サイケ」とか、もうごちゃ混ぜの音。でも、非常に整然と綿密に計算されて曲は作られている感じです。

何が良いかって、 本当に聴いていて「気持ち良い」というか。。騒々しい感じが明らかにあるんだけど、なぜか不思議に「和む」のですよ。あえて私は別の意味で「ポップ」と言っちゃいます。

基本はエレクトロなんだけど、 ギターとパーカッションが心地よいです。それと独特で多彩な表情がうかがわれるボーカルとコーラスワーク。

起承転結がきちんとある曲は皆無だけど、なんとも全曲どこかの異空間に飛び込んでいくような独特な浮遊感があって、とても聴きやすいと私は思います。

1曲目の「Did You See the Words」 が一番、微妙ながら 起承転結があるっぽいかもですね。なんとも劇的なメロディーラインで、終盤のコーラスも非常に印象的な感じです。ここから、もうアルバムにのめり込んでしまいます。

Grass」はちょっと走っているような性急なメロディー。これはふわふわした感じのパーカッションが印象的。あと、ボーカルも多弁な曲です。一番激しいフックがある曲です。

Flesh Canoe」。。これはスローでコーラスがギターと絡み合いながらゆっくりと進行していく曲。なんとも言えない透明感のあるサウンドですね。荘厳な雰囲気も感じられるけど、ボーカルがなんとも優しい感じです。この曲、好きですねー。

The Purple Bottle」。これも一転して走っているようなメロディー。なんかアフリカを思わすようなパーカッション。比較的、抑制されたボーカルとたまに入るソリッドなドラミングが曲に「ポップ感」を生み出しています。

Bees」。日本の琴のような音で始まります。この不思議な音は始終続きます。この曲は一層浮遊感がましています。敢えて言うと「シューゲイザー」な曲。 しかし、この曲も聴いていると、不思議なことに本当になぜか心が落ち着きますよ。広範に音が脳内に広がってゆく感じが、心地よいんです。 ボーカルやコーラスもこれまた荘厳ながら、やっぱり「ポップ感」を湛えているというか。。

Banshee Beat」。静かな雰囲気です。内省的なボーカルが印象的。バックの演奏もやっぱりいろんな音がごちゃ混ぜなんだけど、全体的にとても穏やかな感じ。 7分ぐらいの長い曲ですけど、長いとは感じないですね。 ボーカルの表現力が素晴らしいです。曲調はアルバムのなかでもかなり「ポップ」な部類に入ると思います。

Daffy Duck」。この曲も7分強。ギターの音色が特に印象的な曲。これも「シューゲイザー」 色が強い感じの曲。

Loch Raven」。この曲は遠いところからパーカッションの音が聴こえてきて、だんだん音が近づいていく始まり。女性コーラスが印象的です。曲調は淡々としていて、そんなにフックがないけど、なんともいえない「癒し」の要素が強いような。。途中の凛とした鈴のような効果音が私にはツボです。

最後の「Turn into Something」。1曲目のように勢いのある曲です。 どこかの奥地の部族のお祭り騒ぎと言う感じの曲です。ここでもパーカッションやギターやいろんなエレクトリックな音がごちゃ混ぜなんだけど、なぜか収斂されて、ちぐはぐな感じは皆無です。

で、ボーカルの表現力というか、表情が多彩さが顕著に出ている曲です。終盤はドラマティックです。エコーがかかった女性コーラスが印象的。それとエレクトリックな音が終盤はこれもかと迫ってきます。 最後は自ら音の存在を消すかのように、徐々に静かに終わっていきます。この曲の終わった時の余韻がなんとも心地よいです。

うーん、やっぱり説明が難しかったです。。各曲について云々書いていきましたけど、実際に聴くとアルバム全体で大きな1曲を作っているような感じです。理屈抜きで、アルバム通しで、楽しんで欲しい1枚です。

しかし、これは本当に「傑作」ですね。

普段、オーソドックスな音にちょっと飽きてきている人には特にオススメします。でも、私はこのアルバムのなんともいえない異空間な雰囲気と私なりに「ポップ」と感じた心地よさは、広く聴いて欲しいと思います。

それと、聴いていくと必ず「クセ」になって何度も聴きたくなります。いわば、このアルバムを聴いているだけで本当に「日常」という感覚が飛んでどっかに消えていく感じです。

だから、スリリングな音の塊なんだけど、聴いていてちょっとホッとするというか癒されるような感じもあるのかもですね。是非、聴いてみてください。オススメです!

(これも私の今年のアルバムベスト10に入る勢いですね。 )