HASEさんのブログ

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10月末現在、イスラム過激派ヒズボラから攻撃を受けたイスラエルが、連日何発ものミサイルをガザ地区に打ち込み続け、6000人以上の死傷者(特に子供や女性が多い)が出ている。

 

クリミア地方をロシアに奪われたことに始まったウクライナとロシアの戦争も終わる気配がない。

 

さらに、中国が台湾へ手を伸ばそうと虎視眈々と軍備増強に邁進している。

 

3年余りのコロナ禍が終わって、安心できる世の中になることを期待していたのも束の間、世界中に騒乱が起こり、混沌としている。

 

このような時に、仏教徒は、どう考え、どう行動したら良いのだろうか? 

 

仏教は、キリストのように全知全能の神ではなく、「自分自身がお悟りを開いて、ブッダ(真理に目覚めた人)になること」が最終目標である。

 

世界中の宗教の中でも、自分自身が神や佛になれると考える宗教は、おそらく「仏教」だけだろう。そういう意味では、「宗教」っぽくなく「哲学」っぽいとよく言われる。

 

では、仏教の「真理」とは何か? 仏教が説く「真理」とは「因果の法則」。つまり、「原因」と「結果」、すべての出来事はすべて繋がっていて、「原因」と「結果」が繰り返し起こっていくということ。

 

それを、難しい言葉で言うと、「四諦八正道(したいはっしょうどう)」という。

 

意味は、以下の通り。

 

①苦諦(くたい)ー生きるということは、苦を背負って日々を過ごすということ。

②集諦(じったい)ーあらゆる出来事は必ず何らかの原因によって起こる。苦の原因は煩悩である。

③滅諦(めったい)ー煩悩を消すこと。諸行無常を受け入れ、この世の一切の物事は、自分のものでないと深く自覚する。

④道諦(どうたい)ー煩悩をなくし、悟りを得るための八正道(はっしょうどう)を実践する。

 八正道ー1、正見(しょうけん)ー正しいものの見方。物事は常に変化して存在していると認識して見る。

     2、正思惟(しょうしゆい)ー正しい考え。人や生きもの・自然を害さない、怒りにまかせた行動をしない、貪欲にならない考え    方をもつ。

     3、正語(しょうご)ー正しい言葉。相手を平和に、幸福にする言葉を伝える。

     4、正業(しょうごう)ー正しい行い。他人の迷惑にならない。生命の妨げになることをしない。

     5、正命(しょうみょう)ー正しい生活。規則正しく生活し、人間の命に貢献する仕事をする。

     6、正精進(しょうしょうじん)ー悪は起こさない、なくす。善を起こす、増大させる。

     7、正念(しょうねん)ー正しい自覚をし、自分を見失わない、周りに振り回されない。

     8、正定(しょうじょう)ー正しい瞑想をし、身体と呼吸と心を落ち着かせる

 

一見、簡単で当たり前のように思えるが、実際毎日続けていくことは、結構難しく一定の修練が必要になるだろう。

 

私たち人間は、日々、欲に塗れて生活している。

1番の欲は、「お金」だ。どれだけ稼いでも限りはない。ある程度あれば良いのに、どこまでも求めてしまう。

2番目の欲は、「異性」だ。男性なら女性、女性なら男性から、羨ましく思われたい。これも、限りがない。

3番目の欲は、「権力」だ。国を代表するような、独裁者や権力者が自分の領土や威光のために、戦争をしかけ「権力」を誇示しようとする。これも、同じように限りがない。

 

よ〜く考えて欲しい。これらはすべて、「その本人」が死んだ時点で、すべて「諸行無常」に帰する。すべて「パ〜」になる儚い夢物語である。

 

では、仏教では、どのような生き方を良しとして教えているのか?

 

仏典の中に、このような話がある。

 

裸足で歩いていると、足が痛くなる。革靴を発明した人が王に提案した。「世界中に皮を敷き詰めて、裸足でも歩けるようにしましょう!そうすれば、多くの国民に喜ばれるでしょう!」

 

それを聞いた智慧者が言った。「そんな無駄なことをする必要はありません。一人一人が自分で革靴を履けば良いのです。だれでも、足を痛めずに歩くことができます。」

 

正に、仏教の教えは、こうである。

 

他国や、他人を変えようとはせず、各人一人一人が「ブッダ(目覚めた人)」になることで、世界中に「皆が平和で戦争のない世の中ができる」と教えている。

 

もうすぐ、令和6年度のお正月が来る。今、世界中の人々が願っているのが、「世界平和」だろう。

 

神や仏に「祈る」ことも大切だけど、自分と同じように他人を心から大切にし、「感謝」にあふれる世界を一人一人が実践したいものだ。

 

仏教の教えるしあわせの定義は、割り算で、「しあわせ」=「煩悩」分の「感謝」と聞いたことがある。

 

分母の「煩悩」をなるべく最小限にして、分子の「感謝」を最大化する。

 

人間は、どこから来て、どこへ逝くのか絶対に分からない。だから、人間は「他者から認めてもらい。自己の存在意義を確かめようとする。」

 

日々「感謝」をするということは、そのような人間の不安や苦悩を包み込む最大の方法だと思うのだが、、、。

 

あの世にもっていけるものは、この世で行った悪いこと、善いことだけだ。ならば、「善き行い」を積み重ねていくことが大事だろう。

 

決して簡単ではないだろうが、来年こそは、そのような世界が実現することを期待したい。

 

合掌(^人^)

 

       

瑞岩寺 住職  長谷川俊道

 

 

podcastHASEの金曜は聴きこみ寺(旧:こまった時の聴きこみ寺)(毎週金曜日好評配信中!!!)

 

群馬県・太田市にある瑞岩寺の住職HASEの一風変わったトーク番組。

毎週金曜日、未知なる“寺スタジオ”に素敵なゲストをお迎えします!

インタビュアーであるHASEが、“住職”という枠を超えて、あんなことやこんなことを聴いちゃいます♪

さぁ、金曜は寺スタジオでゆったりまったりゲスト対談をお楽しみください。

 

【お便り】

宗教法人瑞岩寺ホームページ(www.zuiganji.com)、または、社会福祉法人 毛里田睦(もりたむつみ)会 (www.morita-mutsumikai.com)のお問い合わせフォームよりお送りください。

 

podcast『HASEの金曜は聴きこみ寺』

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【HASEこと長谷川俊道について】

天文12年(1543年)創建の瑞岩寺住職。社会福祉法人毛里田睦会理事長(札幌市麻生むつみ保育園、横浜市北寺尾むつみ保育園、北寺尾第二むつみ保育園、毛里田児童クラブ、特別養護老人ホーム毛里田を運営)。毛里田こども園園長。1967年2月27日、群馬県生まれ。駒澤大学仏教学部禅学科卒業後、福井県・永平寺で3年余り修行。修了後は永平寺から群馬の自宅まで1か月かけて托鉢しながら帰宅する。その後、東京・東久留米のお寺を経て、ハワイ・パールハーバーのお寺に赴任。7年半ハワイで住職として過ごした後、帰国。実家の瑞岩寺の副住職に就任。その後、2018年に瑞岩寺住職。社会福祉法人毛里田睦会理事長に就任する。

 

著書:

『お坊さんが教える「悟り」入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

https://www.amazon.co.jp/dp/4799314688/

『お坊さんが教える「悟り」入門 <大活字版>』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

https://www.amazon.co.jp/dp/4799320114

『人生に悔いを残さないための「悟り」入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

https://www.amazon.co.jp/dp/4799323776/