1400年前の象嵌 | 伝統工芸 金工 肥後象嵌 稲田憲太郎 光秀

伝統工芸 金工 肥後象嵌 稲田憲太郎 光秀

象嵌とは、物の名称ではなく技術の総称です。
肥後象嵌を通して伝統工芸をより多くの方に知っていただきたく始めたブログです。

みなさんこんにちは!

年末年始の暴飲暴食がたたり

新年早々インフルエンザにやられ

反省&反省の職人です。

えー

今回は

皆様を太古の日本へご案内します!




西日本を襲った

大寒波のなごり雪の中



やって来たのは!

福岡市内にある

福岡市 埋蔵文化財センター!

埋蔵!

徳川埋蔵金とか連想しちゃう!



中に入ると

福岡で出土した様々なものが

展示保管されています。




農機具








武具



食器



土器




刀装具などなど

様々な時代の出土品

展示してあります。




おっ!

続々と

不思議なオーラを放っている人が

集まって来ました。

九州各地から集まった

刀匠 研師 鞘師 象嵌士

日本刀に関わる15人ほどの職人さんたちです。

すごいメンツだ!




今回、職人さんたちが集まった理由は!



2011年に福岡市 桑原古墳から発掘された

鉄製のを!

福岡市の依頼

職人さんの目線で研究する!のが目的です!




これは、九州国立博物館

3Dプリンターで作った模造品です。



象嵌部分も再現されています。



いよいよ!

本物登場‼︎




1400年前 に作られた

庚寅銘大刀!!(こういんめいたち)

国宝or重要文化財確実らしいです!



おおー‼︎

近っ‼︎

博物館に展示されたら

ガラス越しに遠くからしか見れません。

長さは75センチ

出土された時は、錆で覆われ ていて

巨大な、かりんとうみたいだったそうです。



大刀の刃の反対側(峰)

金象嵌が施されています。



なんと‼︎



近くで見れるだけではなく!

触って良いとのこと!

刀の先生達がどういう技法

制作したのかを検証して います。



自分も、象嵌のプロとして

手に取って拝見しました。

「ん~…これは…ルパンが欲しがるものですね~」



こんな感じで腰に下げていたのでしょう。



日本で出土した

金象嵌が施されている大刀では

4本目だそうです。



今回の大刀は

字の形が、習字の楷書体のような

筆運びを感じられる書体もあり

他の国宝大刀の象嵌と比べても

象嵌のレベルはかなり高いと

思われます。



別の研究室に移動。



今度は、顕微鏡で見せていただきました。




拡大して見ると

金線を象嵌した順番も

手に取るようにわかりました。

象嵌のルーツは、紀元前にさかのぼり

シリアのダマスカス地方で始まった

という説もあります。


現代まで繋いできた、たくさんの職人


そして長い歴史の中で

魅力を見出してくれた世界中の人々


今回のご縁で

自分の仕事の魅力そして重要性を

より深く感じさせていただきました。

呼んでいただいた

福岡市埋蔵文化財センターの皆様

刀にたずさわる職人の皆様

ありがとうございました!