皆さんこんばんは。
熊本はまだ梅雨明けしていませんが
昼間の気温は35℃をこえて、超ぱね~熱さです。
そんな暑さの中、最近はまっている
Avishai Cohen Trio - Chutzpan (Avishai Cohen, Shai Maestro & Mark Guiliana)
を聞きながらブログ更新中です。
この写真は、先日NHKで紹介していただいた
時の、撮影のようすです。
良い音をとるために、エアコンはオフ。
心身ともに熱い!!
そんな最中!
この帯留にも、なんのかんのやっていました。
こちらはデザイン画です。
鉄板を切り抜き、銀板に溶接
丸タガネで、Rを付け形を作っていきます。
肥後象嵌は、日本刀の拵え金具
鍔(主に鉄)などに、金や銀や銅
または、それらの合金を使い
象嵌をほどこす技法です。
昔々は、殿のために腕を振るった
先人の職人も、たくさんいたことでしょう。
そんな肥後象嵌の長い歴史の中で
今回のようなお客様は
初!!?
この作品を身につけるのは
なんと!!
漫画の主人公!!
ご紹介させていただきます。
幸魂さきたま~さくや伝~
結城 焔
日本神話にも登場する「コノハナノサクヤヒメ」が大活躍!
ある日、少年・信くんは幼なじみの巫女・なつきさんと
神社の蔵の片付けをしていた。
そこで彼は、自分を『 咲耶姫さくやひめ』だと名乗る
ロリっ娘と偶然出会い
「 妾わらわの従者になってくれぬか?」と尋ねられる!?
戸惑う彼の前に突如魑魅魍魎の式神が現れる!!
果して信くんと咲耶姫の運命は!?
新進気鋭作家・結城焔の
荒ぶる魂が炸裂する絢爛豪華な絵巻物!!
そんな奇想天外な作品に、登場する
「さくや姫」が身につけていただきます。
姫のために頑張らねば!!
帯締めをとおす部分を溶接
松やにの、作業台に固定し
サンドペーパーで1000番まで磨きあげます。
象嵌(形あるものに、違う素材を嵌め込む)を
ほどこすために、小さなノミ(タガネ)と
金鎚で、1mmの中に、3~5本の刻みを
縦横斜めに4回刻んでいきます。
この写真は、
2回目の途中。
縦横斜めに4回刻んだ状態です。
1mm四方に16~20本の刻みが入り
鉄の表面が、剣山のような、トゲトゲが
立った状態になります。
正面から見ると、布の目のように見える
ことから、この技法を、布目象嵌といいます。
デザインどうりに、配置をきめ
正確に打ち込んでいきます。
これはなにをしているでしょう?
次は、据え紋象嵌をほどこします。
一般的に知られている、肥後象嵌は
平面的な作品が主ですが
この技法は、高肉象嵌とも呼ばれ
立体的な表現が可能です。
この場合は、花びらの形に一度掘り下げ
それと同じ形の銀を作り
掘り下げた部分に嵌め込んでいきます。
こんな感じです。
もう一つ大きい花びらを
高肉象嵌します。
少しずつみぞを掘っていきます。
こちらも同じように、嵌め込んで
いきます。
形になってきました。
このへんの作業は、言葉は少ないですが
地味に時間がかかります。
形を整えて、磨き上げ
その部分に純金を布目象嵌。
こんな感じです。
次に、
象嵌が入っていない、余分な布目(トゲトゲ)を
こさぎ落としていきます。
ゴーリゴリ。
わかりにくいですが、消した状態です。
この工程を布目消しといいます。
次は、松やにの作業台から外して
最後の花びらを、透かしで表現。
ヤスリで形を整えて、こんな感じ。
全体の感じは、こんなふうです。
いよいよ作業も後半戦。
待っていてください!!
さくや姫!!
次は、錆出しという工程です。
鉄の部分が、後で錆びないように、先に錆を出し
硬くて、めの細かい錆が出たら
錆を止めます。
そうすることで、酸化皮膜がはった状態になり
後で錆びなくなります。
錆液をぬって~焼いて~
ぬって~焼いて~
なかなか良い感じ
金などの表面をみがきあげていきます。
なかなか良い感じです。
錆も良い色になっています。
完成!!
この作品のデザインは
太陽(九曜桜)である、さくや姫が
月(悪)に、花びら(善の波動)を
おくることで、悪が弱っていく(三日月)
になっていくさまを表現しました。
この帯留を着けている、さくや姫を
マンガの中で、早く見たい!!
こちらが悪(月)です。
こちらが、さくや姫(善の九曜桜)
私の、さくや姫にたいする、従順な
気持ちが、こんな緊張感の中
作品に表れています。