この殺気立った鬼のような表情ですよこれが世界で本気で戦い、トップを目指すプロの本物の表情
『錦織圭』
自分はこの選手に何度も感動をもらいました。そして今年も幾度も感動をもらいそうな気配です。それだけ今年は攻撃的で、ミスを恐れずに意図的に打ち始めています。今までの錦織とは全然違う。ミスを待ち得意のディフェンスのテニスをほぼ捨て始め、ショットの判断で打てるボールはすべて打っている。特にフォアの返球が素晴らしいです。昨季は散々ミスだったのが強化されてます。
錦織圭、この選手並みの頭脳(ゲームメイク、発想)と決して衰えないメンタル力が他の日本スポーツ選手にあれば、もっと日本は強くなるだろうなと想像します。本当にすごい選手です！
ニューウェアのダークネイビーを着ての登場！この試合は錦織のフォアがキーと感じてました。ヤングは左利き、得意のバッククロスが相手の攻撃的なフォアになる。左利きのナダル戦を前に、非常にいい練習になると感じます。どう試合を展開していくのか楽しみです。
◆2014全豪オープン
---3回戦---
世界17位錦織圭 〇7-5、6-1、6-0 世界91位ドナルド・ヤング(アメリカ)
●2014全豪3回戦 錦織圭×ドナルド・ヤング
[第1セット]
錦織のリターンから始まったこの試合。ヤングの調子の良さが第1ゲームから見える。積極的にネットダッシュし、早くもネットポイントが2本でヤングキープ0*-1。まだ硬さの残る錦織。第2ゲームをフォアのミスで0-2*。第3ゲームも15-40とブレイクポイントを握るも、ヤングの1stサーブと巧みなネットプレーで0*-3。
非常にヤングの戦略がいい。ストロークで追い込み、特に錦織のフォア側に振った返球がスピン系の浅い球威のないボール。それを予測し、フラット系でたたいてネットに出る。第4ゲームもジュースになるも、何とかしのいでキープ1-3*。ストロークは調子悪くないものの、ヤングが良すぎ。
ヤングの巧みなショットandネットで1-4*。しかしここからキープが続き、錦織のスーパーロブ、スーパーバックストレートパスが続き、ついにブレイクで*4-5。あれだけ好調なヤングのプレーをディフェンスでなく、攻めまくって自分のペースに引きづり込んだ錦織。今年の錦織は本当に違う！
ディフェンスで相手のミス待つのではなく、攻めて攻めて自らポイントをもぎ取っていく。本当にすごい！今年はついに異次元の世界へ入ろうとしている意図がわかる試合内容。完全に試合おペースを自らに掴み、5-5*。何か本当にうれしい！まさに世界トッププロの試合内容。
ついにヤングの調子が崩壊し始めた。すごい！第11ゲームをラブゲームブレイクでついに2-5から4ゲーム連取の6*-5。第12ゲーム、ちょっとしたミスがあり30-40になるも1stサーブから最後は強烈なフォアのウィナー2本。もう圧巻です。本当にすごすぎ7-5で第1セット先取！
圭君ではなくて、圭様とお呼びしたい気分でした^^
[第2セット]
すでに覚醒してしまった錦織。第1ゲームからヤングのサーブをいきなり0-40とBP3本でいきなりブレイク1*-0。ヤングは少し集中力が切れてしまった感じ。あれだけいいプレーをしながら、完全に錦織に押し返された第1セット。
ヤングにイージーミスが多くなってきた。ここは一気に行きたいだ2ゲームも1stサーブでキープ2-0*。ヤングもサーブコースを巧みに変えてきて2*-1。錦織にわずかなボール1個分のミスが続くも、ヤングの疲れが出始めて、1歩遅くなってきた感じで3-1*。更にブレイクで4*-1。
その後もヤングの勢いは低下するばかりで6-1で第2セット連取！
2ndサーブポイントwonが63％もいかにラリーで主導権を握っているかがわかる。
[第3セット]
ヤングのアプローチまで甘くなってきたので、錦織の軽いパスの餌食でラブゲームキープ1-0*。錦織が巧みなラリーでヤングはついていけずにミス連発で2*-0。錦織のバックは美しい、バッククロスのウィナーは特に。サービスも伸びてきて3-0*
完全に覚醒し、ニュータイプの錦織になった感じ。最後もリターンダッシュについていけないヤング4*-0。錦織のウィナーの嵐で5-0*。最後もリターンエースの嵐とスピーディな展開力で6-0と圧勝。
第1セットの第8ゲームから何と17-1のゲーム差。そして第2セット第4ゲームからは10ゲーム連取の圧倒的強さ。
このヤング戦の錦織は本当に強かった。ディフェンスではなく、攻めて攻めてアグレッシブテニスで押し返して、最後は完璧なファンタスティックテニス。
錦織圭はこれで、3年連続4回戦進出！素晴らしかったです。
スタッツを見ても、2ndサーブpoint wonが60％。レシーブポイントwonが59％と非常に高い数字。
ウィナーが3-0なのに30本の大台。1セット10本もあるという素晴らしい数字です。これではヤングはどうしようもない。おそらく2回戦のセッピ戦の5セットマッチのおそらく4時間くらいの試合の疲労がどうしても後半出てきてしまい、1歩遅かった。
錦織圭の才能を十分に出した試合でした。第1セットの序盤は世界ランクトップ30にはいるテニスを展開していたヤングでしたが、第2セットからは完全に91位にもどってしまった。この辺りが世界のトップ20とトップ100の選手の違いかなと思います。
錦織「沢山の応援のおかげで気持ちも乗ってきた。日本なのではないかというくらい応援をいただいたので、そのおかげだと思います。」
●3回戦後の錦織インタビュー
■次の4回戦の相手は、世界1位ラファエル・ナダル
さあ、次は世界1位ナダル戦。めちゃくちゃ強いです。ハードコートで皿にボールが弾むので、またクレーコートと違った強さがあります。錦織はいかにベースライン上でライジング処理ができるかどうかがキーになりそうです。
特にフォアハンド。今日のヤング戦のように楽には打たせてもらえないでしょう。試合はおそらく1/20(月)、希望としては今日のようなナイトマッチの方がフィジカル的にはありがたい。コートもセンターコートの大観衆の中の試合になると思います。
過去の対戦成績でも0勝5敗と圧倒的不利な状況。昨年の全仏オープン4回戦では、得意のスピンボールを中心に何もさせてもらえなかった。しかし今回は錦織に相性のいい全豪のハードコート。全仏で勝つ確率が1％したら、今回の全豪では10～20％くらいには上がっていると予想します。
それだけ世界1位ナダルは復帰した昨季から強い。75勝7敗で、大会10勝をあげています。しかし錦織もテニスを見直し、常に攻める攻撃的なテニスを身につけつつあります。ナダルのスピン弾道に慣れて、錦織の自由自在にコントロールできるようになれば、いくらでもチャンスがあると思います。
今年の錦織は攻めに攻めるニュータイプの進化を遂げているだけに、心から楽しみです。もしこの世界1位ナダルに勝つことでもあれば、才能はさらに開花し、一気にトップ10を駆け上がっていく気がします。
錦織「ナダルの可能性もあるので、これからしっかり準備して対戦に臨みたいと思います。」
錦織「自信もついてきてプレーもよくなっているので、すごいいい状態で４回戦まできています。クレーよりは格段にチャンスがあると思う。昨年の全仏ではコテンパンにやられましたけどハードでは速いボールがいきてくるので、そういうのを混ぜてコーチ陣と作戦を練って、彼（ナダル）を倒すために頑張りたいと思います。」
錦織圭、改めて日本人であることを誇りに思います。日本を代表する世界に十分アピールできるスポーツ選手です。
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