2013版『錦織圭』・フェデラーにも勝つレベルの進化を分析 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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ついにトップ10まであと少しの段階にきた進化する『錦織圭

ここまで見る人に進化の過程をレベルアップをわかりやすく伝える選手はファンにとっては嬉しい限り。

マドリードの準々決勝での敗戦はポイント的にも180pとあったので、非常にもったいなかったですが、全仏ではないこと、そしてトップ10選手に勝った後の試合への臨み方を勉強したと思い、次に進んでほしいと思います。

では世界のトップ16選手の中で、錦織がどういうスタイルで勝利を収め、他選手と何が違うのかをデータで比較した見たいと思います。

[ATPツアーランキングトップ16の2013のスタッツ(2013.5.5)]
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赤字:低い数字、青字:高い数字、緑枠:注目する高い数字

世界1位のジョコビッチが王者に君臨する理由は、緑枠のサーブゲームwon87%とリターンゲームwon37%が非常に高い数字であるため。サービスとリターンでこれだけの安定性があれば、テニススタイルに弱点が少なく、負ける確率はかなり低くなります。攻守に安定した選手というのがわかります。

少し驚いたのは、世界5位ナダルのサーブゲームwonの高い数字。ナダルはサーブにスピードはない部類の選手。赤ラインが示すように、サービスエースも62本、1試合平均2.3本と錦織と同じ程度のエース力。でもラオニッチに続き、世界2位の高確率のサーブゲームwon89%の数字。

サーブだけで決めるのではなく、サーブからの第3ショットを含めた展開力でサーブゲームを有利にしているショットメーカーであることがよくわかります。更にリターン力も36%と世界3位の数字。これだけサーブブレイクをさせずに、ブレイク力があれば、試合には勝てますね。7月以降にランキングはかなり復活してくるでしょう。

そして最も気になる錦織圭は、プレースタイルが明らか。サービスゲームwonは81%で世界25位の数字ですが、リターンゲームwonは33%で世界5位のレベル。すなわち、サービスゲームは5回に1回はブレイクされるが、3回に1回は相手のサービスをブレイクするゲームスタイル。
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錦織の弱点はサービスゲームのキープ力。サーブゲームwonは81%で世界23位。トップ16選手の中でも、フェレール、ティプサレビッチに次いで悪い。でも2ndサーブのキープ力はいいんです。2ndサーブwonは55%で世界9位のレベル。しかし1stサーブwonになると69%と急激に落ち世界45位のレベル。

錦織の現状の最重要課題は、「1stサーブのポイントwon率をアップさせること」が挙げられます。

では、具体的に2013年で錦織が進化した点をみていきましょう。

◆試合時間の激減(省エネテニスの開花)
[2012年] 1時間58分(GS:2時間25分、GS以外:1時間47分) 
[2013年] 1時間28分(GS:2時間21分、GS以外:1時間14分)2013.5.5 

比べると明らか。GSはまだ全豪だけなので、何とも言えませんが、GS以外の試合の時間の短さが2013年は33分の差。約1セット分が短くなっていること。

それだけストレート展開が早く、効率的にゲームを進めていることがわかります。これは怪我の多い錦織にとっては非常に大事なことで、連戦でも勝ち上がっても、いかに筋肉疲労が少なく、決勝まで残れるか!?にかかっています。

マドリード大会のフェデラー戦でもクレーコート、そしてファイナルセットの試合でも95分程度。通常クレーコートでファイナルとなると2時間以上はほぼ確実。

でも2セットで勝ったような試合時間の短さ。マスターズ1000は一見ポイントが高い大会に見えて、かなりハードな日程。トップ8シードまでしか1回戦byeのシステムがないので、世界ランク16位の錦織圭でも1回戦からの戦いになります。

その中で大切なことは筋肉疲労がないまま、ほぼ6連戦の試合に臨めること。筋肉疲労は怪我の前の状態、それ以上疲労がたまると怪我になりますよ!という脳からの痛みの合図のようなものと自分は考えてます。

だからこそ、試合時間が少なく、筋肉疲労がないまま試合に臨めることが大事。それを2013年は年間大会出場数を減らしながらも、試合時間を減らすことに成功し、しっかりとしたフィジカルを維持しながら、決勝でも万全に望める肉体を作ろうとしているのがわかります。

◆2ndサーブのゲームメイクの向上
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上記の表は、ATPツアー男子のサービスにおける各項目のランキングです。錦織の課題は「サーブ」サーブだけでなく、サービスゲームをキープする戦い方。

1stサーブポイントwon:69% 45位
2ndサーブポイントwon:55% 9位
で2ndサーブのポイント獲得率は高いのですが、課題は1stサーブ。スピードが問題ではないと思います。
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スピードではさほど変わらないサーブでもナダルは1stサーブポイントwonは74%の19位。1stサーブからのポイントを取るためのゲームメークの仕方。これが今の最大の課題ではないかと感じます。

2ndサーブは悪いのかと思ってましたが、2013年の錦織はかなり進化しているようで、1stサーブが課題であることがわかりました。

前々から思うのは、ボディー気味のコースに打つことが多い1stサーブ。もう少しミドルとコーナーの両サイドに振れないのかなと思ってしまいます。このサーブキープの戦い方、ゲームメイクの判断が今後の大きなキーです。

◆リターンの更なる進化
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上記は、2013年のリターンゲームのスタッツ。ツアーの半分が終わろうとしている時期で、
・世界5位 リターンゲームwon 33%
・世界7位 ブレイクポイント獲得 48%
・世界16位 1stサーブリターンポイントwon 32%
・世界5位 2ndサーブリターンポイントwon 56%

と数字の上では、リターンに関してトップ5に入る錦織。1stサーブの読み?を上位選手との対戦を増やし、アップさせる必要があるようです。これは経験値でカバーでき、年末ぐらいにはアップするのではないかと思います。

非常にいいのは、2dnサーブリターンの攻め方やポイントの取り方。56%ということは、2本に1本以上とっているということ。すなわち、相手の1stサーブの確率が極端に悪いサービスゲームがあれば、軽くブレイクする力があるというのがわかります。

またブレイクポイントでも48%と非常に高い確率で獲っているので、大事な場面での集中力、冷静な判断による「勝負強さ」があるのが一目瞭然です。

正直、リターンゲームだけならトップ5に入るレベルに達しているということが言え、後はサービスゲーム。特に『1stサーブでのポイントの取り方』だけではないかと思います。
 
◆フォアハンド・超アングルクロスのウィニングショット
フェデラー戦で何本決まったか。スピードやパワーだけでの勝負ではなく、「間」を上手く使ったアングルショットが決まり始めていることが非常に大きい。コートを広く使い、相手に走らせ、自分の体力ロスを減らしながらもポイントが取れるゲームメイクができていること。
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ストレートやクロスなど一方向でのラリーをほぼしていないので、チャンスボールの際に「間」を意図的に作ると、相手の足が止まり、どっちにうつのかわからなくなり、ウィナーになっているケースが非常に見られます。
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緑枠:2012年までの推定フォアショット範囲、黄枠:2013年の推定

角度からいえば、サービスラインの対角線上に打てるので、相手からすると完全にコートからはじき出されてしまう角度。それゆえ、相手が取ったとしても簡単に次のボレーやショットで決められ、ゲームメイクをかなり有利に運べています。

◆バックハンド・ストレートの展開の早さ
2012年まではトップ10になればなるほど、ボールの球威が凄く、なかなかコントロールできるまでのフィジカルと打球の予測が難しかったのですが、2013年はしっかりと相手の球威に負けずに、体重を乗せて打っています。
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それがフェデラー戦でまさに出たのですが、それゆえ、バックハンドでも相手の守備範囲が広くなり、相手がどちらに来るのかが予測不可能になっている状態が多いです。ストレート展開があるので、バックのクロスラリーが更に生きているように見えます。
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緑枠:2012年までの推定バックショット範囲、黄枠:2013年の推定

バックのストレートが非常に少なかった2012年は、どうしてもバックのクロスラリーが多く、試合時間が長く、大会の序盤戦で、体力をかなり消耗することが多かった。

それがフォアの高アングルクロスとバックのストレート展開をしっかりと身に着けたことにより、ゲーム展開が早く、ウィナーも増え、非常に省エネテニスがでてきていると思います。

◆オープンスペースを使った戦い方
2011年、2012年はどちらかというとディフェンス型のテニススタイルで、バックハンドのクロスラリーを中心に相手のミスを待つという戦い方でした。

しかし2013年になり大きく変わって進化します。きっかけとなったのは、2012年楽天ジャパンオープンの優勝。そして2012年ベスト8が6回で安定感はあるものの、それ以上の成績がほぼないトップ10選手に弱い印象の錦織でした。

そこからバッククロスのラリーだけでなく、ストレート展開をし始めたこと。それまでも打ってはいたんですが、デルポトロなどの強烈な重い球威を持つショットに対してはコントロールできずに、センターに打ってしまい、逆に相手のフォアのウィナーの餌食になってました。

2013年の錦織は、とにかくストレート展開、そしてオープンスペースへの攻めの展開が非常に速くなりました。ラリー数が少なくなり、相手の体勢が崩れたところをしっかりとウィナーを獲るテニス。非常に理想的で強さを見せるテニスに進化しています!

フェデラー戦でもみたように、
●動画開始22:00~第1セットの3-2、40-30からのフォアの逆クロスショット
1stサーブをフェデラーのボディに打ち、リターンのコースを限定させ、チャンスボール的なリターンが錦織のミドルの正面へ。すかさずフォアの逆アングルクロスウィナー!素晴らしい!

●動画開始1:33:53~第3セットの4-2、15-0からのゲーム展開の早さ
2ndサーブから、リターンをバッククロス、そしてフォア逆クロス2本(アングル、クロス深め)を入れて、フォアストレート、浅めの返球をフォア逆クロスでチャンスボールを軽くスマッシュ!

フェデラーが防戦一方で何もさせてもらえない完璧な錦織の早い展開力。この1ポイントが2013年の成長を示しているようにも思えます。

[錦織最大の課題]
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あとは皆さんも思うように『フィジカル』かな。トップ10は今のままやっていれば、時間がたてば間違いなく入るでしょう。怪我で試合を左右することさえなければです。

ローマでも右足の太ももに違和感を得て、インジュリータイム。おそらくクレーならではの、このスライドステップの多さがハードとは違う筋肉への負担となってるんだと思います。
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現在ローマ1000でも62位のロレンツィ(イタリア)を6-4、6-2と一蹴。まずは全仏に全ての照準を合わせ、怪我のない万全な状態でローランギャロスに入ってほしいと思います。

全仏で活躍すれば、全仏後にもトップ10に入る可能性があるので、しっかり戦って結果がほしいです^^

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