世界18位錦織圭。これだけ世界ランク18位だけでも素晴らしい結果だが、自分としてはまだまだ物足りない。
錦織選手はまだまだ才能があると思うからです。こんなもんじゃない錦織選手の才能。もっともっと磨いて欲しい。
全米オープンは非常に期待されました。1、2回戦と非常に内容がよく、フィジカル的にもこれまでのグランドスラムの中では最もいい状態のように見え、また3回戦が相性の良いチリッチということで、かなり期待できました。
![バレー・テニス中心スポーツ/計100kgダイエットブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20120908/02/zooblog/86/51/p/o0386038912177065144.png?caw=800)
その中で、残念ながら完全な作戦負けというか、チリッチの戦略勝ちといったほうがいいでしょう。
・錦織のサーブでの積極的な攻めでポイント先行
・2stサーブのバウンドの高いスピンサーブ
の2点にほとんどやられました。結局1-3で敗戦。
その後の準々決勝でのマレー×チリッチ戦に大きなヒントが隠されてました。
◆積極的なネットダッシュ
マレーは隙があれば、ストローク戦からネットを取り、簡単にポイントをとる
◆2stサーブのリターンはベースラインから1m前に構えてプレッシャーをかける
上記の画像のように、マレーは、えっ、こんなに前で構える?というくらベースラインというよりもサービスラインに近い位置でハーフボレーのようなライジングショットで、2stサーブを攻めてました。錦織と比べると、全くサーブがマレーに効いてない。逆にチリッチ不利のような2stサーブでした。
◆展開の速さ
ストレート展開の速さ、チリッチも198㎝と長身で、180㎝台の選手ほどフットワークの速さはありません。やはりフットワークが悪い選手は同じ位置で打ちあうよりも展開の速さで勝負するべきなのが明確にわかりました。
その結果が、チリッチのスタッツにそのまま表れています。下記は錦織戦とマレー戦のチリッチのスタッツです。
これをみると、1stサーブwon下がるだけでなく、エースの数も10本以上違う。特に錦織戦では2stサーブwonが65%もあったにも関わらず、マレー戦では何と半分程度の34%まで減少していること。
よって、マレーはチリッチのサーブを完全に封じ込め、ストロークでは左右そして前後に振り、フットワークを乱し、強打が打てない体勢を数多く作り、ポイント連取していたというのがわかります。
よって、錦織とマレーには、驚くほどのリターンの差が非常にあるということです。それに加え、安定したストロークと展開力、更には200km/hを超えるサーブ。う~ん、まだまだマレーとの差は技術的に戦術的にも埋まりそうにもないですね。
とても3-6、1-5でセットポイントがチリッチにあった試合とは思えないマレーの逆転勝ち。最後はハーフボレーテニスと言っていいくらい速い展開のテニスで、チリッチを圧倒!さすが世界4位。オリンピックチャンプ!
毎回、錦織の試合を見て思うことがあります。
◆ネット攻撃の少なさ
錦織の試合を見るといつも思います。なぜそこまでストロークで決めることにこだわるのか?なぜもう少しネットに出ない?明らかに相手の体勢が崩れ、ボレーで決めればラリーを続けることなく、簡単にリズムよくポイント奪取できる場面でも、敢えてベースラインに下がり、ラリーを続けることが非常に多い。
伊達選手のテニスを見ればよくわかるんですが、相手の体勢が崩れた時の一瞬のひらめきは本当に素晴らしく、相手の逆をつくかのようにネットダッシュして、ポイントをとっていきます。特に2011年のウィンブルドンでの×ヴィーナス戦は見事な戦略でした。
錦織選手は明らかにオープンスペースが空き、相手の体制が崩れているにもかかわらず、ネットに出ずにストロークで決めにかかる。そうなるとポイントをとるというよりもラリーが続くことが多い。確かに現代のテニスはフィジカルが充実しており、中途半端なショットではカウンターを喰らってしまう。
でももう1つチャレンジスピリッツを持って、ボレーでポイントを締めたい気がします。
◆オープンスペースへの展開の早さ
展開が遅いので、展開力を早くする。ジョコビッチやマレー、フェデラーを見ていると、同じポジションで3回以上打っている場面が非常に少ない。必ずストレートかオープンスペースに展開し、ポイントを獲得している。
やはり錦織にはフォア、バック共にストレート展開が少ないこと。そしてストレートの精度がまだまだ低いこと。どうしてもミドル寄りのコースに安全に打ってしまいます。常に相手を振り回し、いい体勢で打たせないことが先決でしょうね。
書くのは簡単ですが、これをあのトップレベルの10選手程度にやるとなると、本当に大変。やはりトップ選手と練習を数多くしながら、何が足りないのか?何を課題に進めばいいのか?それを検討すべきでしょう。それだけの才能を錦織選手は持ってると思います。
ここ1年で、本当にフィジカルが強くなった印象があり、体の軸が安定して、下位選手には負けないテニスに変貌しました。ディフェンス力は本当に素晴らしいと思います。しかし今シーズンは全豪ベスト8、オリンピックベスト8などあるものの、ATPツアー250レベルでもベスト4以上の成績がない。
安定した成績ですが、トップ選手への勝利の方程式がまだまだのようです。それだけにATPツアーは、ベスト4以上から大量のポイントが入ってくるので、ランキングも今いちあがらない状態が続いています。
秋シリーズからは、クアラルンプール90p、東京、上海360p、バーゼル360pと810pも消失する可能性があるので、かなり踏ん張り時です。そろそろ優勝したいところ。まずは来週のデビスカップ。久々の日本での試合。成長している錦織を楽しみにしたいですね!
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