リッツ・カールトンなどを運営する米ホテル大手のマリオット・インターナショナルは23日、傘下にシェラトンなどを持つスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドの買収手続きを完了し、世界最大のホテルチェーンになったと発表した。
--
日経新聞 2016/9/24 7:43

 

マリオットがスターウッドを買収するという話はあったが、手続きも完了したそうだ。マリオットグル―プは売り上げが世界最大規模のホテルチェーンだが、この買収で売上高においてヒルトンをさらに引き離した。部屋数でもマリオットは2位のヒルトン(75万室)、3位のインターコンチネンタル(74万室)を引き離し、110万室以上を有し、世界首位の座を確立した。日本トップの部屋数を誇る東横インが5万室、2位のアパホテルが2.8万室だから桁が2つも違うといえばその巨大さが分かるだろう。ちなみに、2位のヒルトンといえば、おバカで有名なパリス・ヒルトンが思い浮かぶが、彼女は創業一族の令嬢である(ただパリスは自分の遊ぶお金はすべて自分で稼いでいるそう)。

 

◆2014年世界のホテル売上ランキング(企業別)
第1位 マリオット
第2位 ヒルトン
第3位 インターコンチネンタル
第4位 スターウッド(マリオットに買収済み)
第5位 アコーグループ

 

ただこの買収劇によってマリオットが有するホテルブランドは30にもなる。これからブランドの整理が起きるのではないかと思われる。ちなみに、部屋数が多いというのはそれだけ廉価な部屋も多いわけで(日本の1位と2位もビジネスホテルチェーンだ)、米国内だとマリオットといえばビジネスホテルのイメージが強いという --  ヒルトンも同じく。マリオットはスターウッドを買収し、スターウッドの高級ホテルブランドとの相乗効果で、海外展開を強化していく気だろう。

 

日本も東京五輪に向けて外資系ホテルの進出ラッシュで、京都にはマリオットの最高級ブランドのリッツカールトンや、高級ホテルに特化したフォーシーズンズなどが進出している。金沢には初の外資系ホテルのハイアットの新ブランドの「ハイアット・セントリック」が2020年に開業予定 ― ハイアットは世界の売上高が世界9位である(マリオットのスターウッド買収後)。奈良にもマリオットの高級ブランドの1つのJWマリオットが進出予定。外資系の進出で、日本のホテル業界も再編を迫られるだろうか。今後のサービスの向上に期待である。