英国のロンドンスクール・オブ・エコノミクス(LSE)の進化心理学者のサトシ・カナザワによると、知性・宗教心・浮気心の強弱はすべて知能の進化と関係していると主張している。彼によると、長期的な研究によると10代のIQが高いほど、リベラル派になりやすいという。一方、IQが低い方が、保守派になりやすいという。これは、突発的な事態に対応する能力はIQが高い人の方が優れているからだという。同様の調査がカナダでも報告されており、オンタリオ大学の研究チームによると、IQの低い人間は、社会の変化についていくのが苦手なので、伝統と安定を好む傾向が強いという。
 また、IQと宗教心との関係も強い相関性が存在し、国別で比較した場合、IQが高い国の方が宗教に熱心である人の割合が低くなる。Pew Global Attitudes Project調査で「宗教をとても大切と答えた人の割合」と「IQ」の関係が明らかになっている。日本は宗教をとても大切としているのは12%、IQは105である。ちなみに、下図で、赤丸がついているのはアメリカ。IQの低い人ほど、自らの頭で理解できないことが多く、宗教的な教えなどに依存しやすいのだという。

早稲田大学院生の徒然なるブログ

 IQで知性が正確に測れるわけではないが、政治や宗教への依存度をIQの視点から見るのは興味深い。ただIQ高い人にリベラルな人が多いからといって、リベラルな人はIQが高いとはならない。「A→B」の逆「B→A」が必ずしも命題の真偽と一致しないのは論理学の初歩である。
ちなみに、LSEのカナザワ氏はIQに関する研究で大顰蹙を買いまくってるらしいが、アフリカが貧困から脱せないのは、地理的な要因などよりIQの低さが問題だと指摘している。