1週間ほど前の記事だが、産経にNHKスクランブル化についての記事があった。同紙の調査では、NHKのスクランブル化(料金を支払った人だけが視聴できるようにすること)に賛成がなんと88%。なんと9割の国民はNHKの強制的な受信料徴収に反対のようだ。

記事中の辻井重男氏(東工大名誉教授)、岸博幸氏(元経産官僚・慶応大教授)の対談が面白い(ネットでもみれます。読みたい方はソースのURLから飛んでください)。ちなみに、私はスクランブル化に賛成。以下、長いが引用する。

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●辻井重男スクランブル化反対
・ 「メディアは確かに多様化しているが、中身は玉石混交で、石の方が多くなっている。やや衰退気味の日本が活力を取り戻すような番組をやるのは、NHK。それは国民全体で支えるべきで、スクランブル化には反対。」
・「『俺は見ないから払わない』というけちな根性ではなく『誰か代わりに見て、教育の向上や科学の進歩について考えて。その代わり受信料は払う』というよう な、支え合う寛容な精神が必要。放送をスクランブル化してしまうと、良質な番組を偶然発見する機会も失われ、視聴者の興味の妨げになる。」
・ 「BSに良い番組は多いと思うし、衰退させたくない。時間とお金をかけないと良い番組はできない。スクランブル化は、確かに論理としてはすっきりする。今みたいな形態はあいまいでいろいろな議論があり、すっきりしない点はあるが、良いのではないか。

●岸博幸スクランブル化賛成
 「減収したくないだけだ。放送はすべて公共のもの。NHKは無意味に電波が多い。テレビは地上波2波、BS2波。放送の中身は、大リーグだったり米放送 局のニュースだったりと過剰だ。民放がやればいい。
BSは難視聴対策もあるが1つで十分。地上波も教育と総合の必要な分だけを足せば十分だ。必要最低限を無料放送にして、国庫補助するか、もっと低い受信料でまかない、それ以外はスクランブル化して有・料でやればいい。国民に高い受信料を払わせ、裁判でもめるようなことはなくすべきだ。」
・「ごく一部のニュースが必要なだけ。災害時、必要ならスクランブルを解除すればいい。技術的にも簡単にできるはず。それにインターネットもあり、国民の 情報収集の手段は多様化している。NHKを見ない人がいてもおかしくない。テレビを持っているなら払え、訴訟も辞さないというのは時代錯誤的だ。
・「高い受信料の正当性を担保するとしたら、国際放送。竹島、尖閣諸島の問題で、国の価値観を伝える国際放送の重要性が注目されている。中国はソフトパワー戦略として、国営放送で中国の主張を途上国に刷りこんでおり、実際ケニアなどでCCTV(中国の国営放送)の存在感は大きい。中国は西側のメディアを使う と、主張が伝わらないという判断から、自分たちで放送を行っている。同様にNHKが国際放送を強化してきたというならともかく、そうした成果もなく、あらゆる面から高い受信料を正当化できない。

※ソース:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121112-00000507-san-soci
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 辻井氏の言っていることは説得力がない。「やや衰退気味の日本が活力を取り戻すような番組をやるのは、NHK」なんて一体何を根拠に言っているのか。支払わないと裁判で強制徴収してるくせに、「支えあう寛容な精神」なんてよく言えるものだ。「俺は見ないから払わない」というのを”ケチな根性”呼ばわりしているが、見てもいないのに金だけ払えという方が乱暴な話だ。挙句の果てに「スクランブル化は、確かに論理としてはすっきりする。すっきりしない点はあるが、良いのではないか。」と発言しているが、一体全体何が良いのか意味不明だ。

 だいたいNHKは優遇され過ぎですよ。NHKの平均給与は1041万円。国家公務員はたったの658万。保険料率でも国家公務員よりもNHK職員の方が優遇されています。これは国会の予算委員会(質問者桜井充議員、2011年9.28)でも話題に出ていて、野田首相は答弁で「不公平感がある」と発言しています。辻井氏が「支えあう寛容な精神」と言っているが、国民が支えているのはNHK職員のリッチな生活ですよ。公共放送、公共放送いうなら、国営放送化して、給与も国家公務員に準じた水準にすべきでしょう。ちなみに、NHKの社宅が広尾とかにありますが、周辺の相場の10分の1とかの賃料のようです。公務員とかは住宅補助も微々たるものというのに。
 
 私は岸さんの意見に全面的に賛成です。観てもないのに「金だけ支払え」「払わないなら裁判してやる」なんてNHKは国営ヤクザですか?電波の押し売りは迷惑です。