沢の鶴 実楽repo管理人のブログ

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このブログは、神戸・灘に蔵をかまえる“沢の鶴”が酒米の王様「山田錦」の田植えから、お酒になるまでを一貫してお伝えするブログです。

Jitsuraku Blog ~How to make sake


We will transmit process of making sake through this blog.

『良質のコミュニケーションを大切にする酒造り人』 

小山和幸(こやまかずゆき)氏のインタビューです。
 

沢の鶴社員を「酒造り人」としてご紹介するこのシリーズ2回目は、醸し上げたお酒を精製し、瓶詰めできるお酒に仕上げていく酒造り人である小山和幸様にお話をうかがいました。

~「僕たちの仕事は一人でできる仕事ではありません。忙しい時にみんなで助け合って仕事ができた時の達成感が一番楽しいです。」~

 

― 酒造り人の小山さんは入社されて何年ですか? 

平成13年に入社しましたので、今年で17年目に入ります。入社当初はミスもしましたが、優しい先輩(笑)に支えられてここまで来たと思います。

 

― 小山さんのお仕事の内容を簡単に教えてください。

醪を搾ってできたお酒を、瓶詰めできるお酒にするのが仕事です。
ろ過や、火入(ひいれ=加熱殺菌のことをこう呼んでいます)、貯蔵酒の管理、お酒の味わいを整える調合、割水などが主な作業です。

― 小山さんのお仕事で「大切にしている」のはどんなことですか?

コミュニケーションです。
僕たちの仕事は、言い換えれば作業を通してお酒をタンクからタンクへと動かしていく仕事です。元のタンクから行き先のタンクまで離れた場所にあることがほとんどです。ですから一つの仕事を何人かのグループで進めていくことになります。ここで大切なのはコミュニケーションです。仕事を進めるうえで、メンバーでしっかり確認を取ることが大切で、確認ができていなければミスやトラブルにつながります。確認はコミュニケーションですから。

 

― 「実楽山田錦」のお酒を扱う上で、特に気を付けられていることはありますか?

「実楽山田錦」だけが特別というわけではありません。どのお酒も品質を落とさないように、同じように気を付けています。これが僕たちの仕事の基本だと思っています。

 

― 後輩や新入社員が入ってきたとき、小山さんの職場では「これが大切だ」と伝えていることはありますか?

「酒は絶対にこぼしたらダメ」です。僕も新入社員の時に言われました(笑)。固形のものなら拾って集めることも場合によってはできますが、液体であるお酒はこぼすと拾えません。もったいないだけではなく、会社や仲間にも迷惑をかけてしまいます。僕たちの仕事の「肝」です。

― 小山さんの入社以来のお仕事の中で一番印象に残っていることは何ですか?

僕の所属している製造部の部門内人事交流で、お酒造りの仕事に2年間参加した時、お酒造りは準備と片付けの仕事がとても大変だと思いました。
もちろん今やっている仕事も準備と片付けが大切なのですが、ポンプやホース、配管の洗浄殺菌がほとんどです。お酒造りは使う道具の種類が多く、洗い方や殺菌のやり方が違います。酵母菌や麹菌を扱うお酒造りの仕事の大変さが印象に残っています。
自分の仕事の手が空いた時には、それを思い起こしながらお酒造りの仕事も応援に行っています。

 

― 小山さんのお仕事で楽しいところと難しいところは何ですか?

うーん(笑)。先ほども言いましたが、僕たちの仕事は一人でできる仕事ではありません。忙しい時にみんなで助け合って仕事ができた時の達成感が一番楽しいです。
難しいのは、お酒って貯蔵期間の長短や、純米酒か本醸造酒かといった酒質が違うと、例えばろ過の方法一つとっても最善な方法はそれぞれに違うんです。自分の経験や先輩からのアドバイスで、ろ過の方法を変えていきます。このあたりの見極めが一番難しいですね。

 

― 小山さんが沢の鶴の商品の中で一番気に入っているのは何ですか?

特別純米酒 播州産山田錦 生貯蔵酒です。このお酒の香りと飲みやすくすっきりしているところが好きです。いつも常温で飲んでいます。
「特別純米酒 播州産山田錦 生貯蔵酒」を飲むときのおつまみにはこだわっていません。純粋にお酒の味を楽しんでいます。

 

― 酒造り人がすすめる「実楽山田錦」に合うおつまみは何ですか?

鯛のアラ炊きです。あのしょうゆ系の味付けが「実楽山田錦」によく合うと思います。僕は釣りが好きなので、アラ炊きも自分で作ります。
僕はあまりお酒に強くないのですが、魚系のものを食べるときには日本酒を飲むことが多いですね。

― 皆さんにお聞きする最後の質問です。「小山和幸様にとって、実楽山田錦とは?」

米づくりから沢の鶴社員が参加している思い入れのあるお酒です。
私も実楽で山田錦づくりに関わらせてもらったことがあるのですが、生産者の方が真摯に山田錦に向き合って作っていると感じました。ただ山田錦をつくるのではなく、考えながらいろいろ試している。でも山田錦の作付は年1回なので多くのことは試せない。そんな話を聞いて、その向き合い方が印象に残っています。

 

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鯛のアラ炊きと実楽山田錦・・・文句なしの組み合わせですね。

さらに、自分で釣って、捌いた魚なら、美味しさもひとしおでしょう。

コミニケーションを深め、助け合ってこそ、美味しい日本酒ができる。

酒造り人“小山さん”の側面が見えたインタビューでした。

次回も「酒造り人3回」とお届けします。