沢の鶴 実楽repo管理人のブログ

このブログは、神戸・灘に蔵をかまえる“沢の鶴”が酒米の王様「山田錦」の田植えから、お酒になるまでを一貫してお伝えするブログです。

Jitsuraku Blog ~How to make sake


We will transmit process of making sake through this blog.


テーマ:
5月も、もう後半・・・
今年もまた、「田植え」季節がやって来ました。
これまで、何年か「山田錦作り」について綴ってきましたが、
今年からは新企画として・・・
山田錦の特A地区に指定された、ここ兵庫県三木市吉川町実楽で
山田錦作りに情熱を燃やす、農家さんの生の声をお届けしたいと
思います。

記念すべき第1回目は・・・

『実楽の実務担当』西田昇一氏 (実楽営農組合長)のインタビューです。

~「山田錦栽培は人生そのものです。」~

― 西田さんが山田錦栽培に携わるようになったきっかけは何ですか?


 子供のころから米作りを手伝っていましたが、昭和47年に結婚して
  義父の農業を手伝うことになったのがきっかけです。
  
  ちょうど田植えの時期で、苗代から苗を取っていくという仕事を
  はじめにやりました。
  実楽の農家にも田植え機が入っていったころですが、
  うちはそれを入れるのが一番遅く、手植えをしていました。
 それが、翌年義父がピーマン栽培に専念することになり、
  いきなり米作りを完全に任されたんです。
  
  義父にはどうやって山田錦を栽培すればいいのか聞きましたが
  答えは「自分が思うとおりにしたらよい」でした。
 実楽のほかの農家の人にもいろいろ聞き試行錯誤で育てましたが、
  一つの作業が終わったころに「あの時はこうしたらよかったんだよ」と
  義父は教えてくれました。
 
   はじめから教えてしまうと「自分が思うとおりに」ならないと
  考えていたのだと思います。今、私の息子が農業をしていますが、
  私も義父と同じように教えています。

― 西田さんは実楽営農組合長をされているということですが、
    営農組合について教えていただけますか?

 実楽では小さな田んぼを区画整理する「圃場整備」が平成9年度に終わり、
  小さな機械ではなく、大きな機械での米作りに代わっていく時期に
  差し掛かっていました。平成11年に当時「農会長」をしていた私と、
  区長をしていた辻田凱昭さんと相談して、実楽で米作りしていた
  25戸全戸が出資して実楽営農組合を立ち上げました。
  
  米作りに必要な機械を購入して、共同で農作業ができるようにしたのです。
 その後、黒豆の枝豆や野菜作りもするようになり、
  農作業や出荷作業に労力を出していただく代わりに、販売収入を
  その方たちに還元するというやり方を続けています。
  
  こんなことができるのも、実楽地区がまとまりがあって集落の
  農家全戸が参加できたからだと思います。
 ただ、農作業をしてもらう人の手配が一番苦労といえば苦労でしょうか。

― 山田錦栽培されて一番難しいところは何ですか?

 肥培管理(肥料のやり方やタイミング)が一番難しいですね。
  気候に左右される要素が多いので、一年一年が勉強です。
  これで満足ということはありません。

― 山田錦を栽培して一番すごいと感じるところはどこですか?

 普通に栽培してきたので自分ではよくわかりませんが、
  ほかの地域で山田錦を栽培してもなかなかうまくいきません。
  
  実楽の粘土質の土や先祖が育ててきた地力が山田錦に合っているのですね。
  収穫が近づくと山田錦は穂の重みで倒れていきますが、
  根元まで倒れることはなく、地力のおかげでしなるように倒れます。
  
  それでも平成10年10月に大きな台風が来たときは根元から倒れて
  コンバインが使えず、稲刈りを手刈りでやらなければならなかったので、
  1枚の田んぼを1週間かけて刈り取ったこともあります。

― 沢の鶴の商品で一番おいしいと思われるのは?

 それはやっぱり「実楽山田錦」ですよ。
  常温で毎日飲んでいます。
  村米制度という契約栽培で自分たちの作った山田錦を沢の鶴さんで
  使っていただいてこのお酒ができているので、
  よい米を作る努力をしています。

― 皆さんにお聞きする最後の質問です。「西田昇一様にとって山田錦とは?」

 米作りの原点であり、農家としての出発点です。
  人生そのものです。山田錦を取り巻く環境も山あり谷ありでしたが、
  人生も山あり谷ありですから。

----------------------------------------------------------------
次回も、どうぞお楽しみに・・・

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)