之字(のじ)運動 | 太平洋戦争史と心霊世界

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海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


蛇行する軍艦 

蛇行しながら航行する軍艦


 之字(のじ)運動とは何か?

  俳優で元陸軍少尉だった池部良氏の軍隊体験記、『ハルマヘラ・メモリー』に之字運動の記述がありましたので、これを引用します。


「さらばラバウル」
海軍大尉を演じる池部良。


 

(陸軍将兵を乗せ、南方に向かって航行中の輸送船の中で)護衛艦

 

池部少尉「三時間もすれば、私たちの船団は、アメリカ潜水艦が、うじゃうじゃいるらしい海域に入るんだ。之字(のじ)運動で航行しないと」

 

じゃが芋顔の少尉 じゃがいも 「之字運動って、なんだ」 

 

池部少尉「右へ行ったり、左へ行ったり、之(の)の字を書くように航行して、敵の目を眩ますんだ」

 

じゃが芋 じゃがいも 「幹候(大学上がりの幹部候補生)の貴様なんぞに教えてもらう必要はない。黙ってろ

 

 と言って、胸倉を押された池部少尉は、背後にいた6,7人の将校の中に倒れ込みました。(°д°;)

 



 要するに之字運動とは、潜水艦の攻撃を避けるため、「之」(の)の字を書くようにわざと進路を曲げ、ジグザグ航行をすることをいいます。(下図参照)


之字運動 

  潜水艦には弱点があります。潜水艦が潜航している時に敵の艦艇の近くへ行くと、水中聴音器で発見され爆雷を受けます。

 

 従って駆逐艦が護衛している船団を攻撃する際は、潜水艦は船団の針路を読み取り、発見されないように一旦浮上し、全速力で先回りをして、船団が来ると予測される未来位置に潜航、艦艇が近づいてくるのを待ち伏せし攻撃します。

 

 潜水艦が一度海上に浮上するのは、潜航するよりもスピードが出るためです。

潜水艦の攻撃法 

 従って之字運動でジグザグ航行を行っていれば、潜水艦も艦艇の針路をつかむことはできません。しかしそれでも1日や2日潜水艦に追尾されると、船団の進行方向がわかってしまうと言われます。

 

そのため之字運動の進み方は上記で挙げたほかにも数種類あり、いくつかを組み合わせてカモフラージュしながら航行していました。