チェルノブイリ事故での除染作業員の体験 | 太平洋戦争史と心霊世界

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放射NO!! 


 チェルノブイリ事故の後処理で、リクィデーターと呼ばれる除染作業に従事していたナタリア・マンズロヴァさんの体験談をご紹介します。

ナタリア・マンズロヴァ 
ナタリア・マンズロヴァ


 彼女は放射能が人体に与える影響、特にあまり知られていない脳神経への障害、また放射能で性欲が増すなど語られにくい部分にも言及しています。

 

 レポートは67ページと長いので、以下にポイントだけ抜き出しました。

 

HARD DUTY(過酷な任務)-ある女性のチェルノブイリでの体験(P 67

ナタリア・マンズロヴァとキャシー・サリヴァン

翻訳:後藤健太郎・大羽正律・大羽比早子

http://www.zenplanning.com/nuke/HardDuty/HardDuty_JP.pdf


■被曝した動物

 

(1)無人の人家で発見された犬

 

 四本の脚には毛が全く生えておらず、肉からは出血しており、瞳は濁っていて、口から唾液がしたたり落ちていました。

 

放射能で汚染された草地で事故以来ずっと狩りをしていたためにベータ放射線による外部被曝による火傷をしていて、もぐらや地ねずみを口にしていたために、おそらく内部被曝もしていたようでした。

病院の中で用具や備品などを探している時に、もう一度その犬を見ました。死んでいました。体は腐っておらず、ミイラ化しているように見えました。放射線の影響だろうと思われます。

 

(2)巨大化したネズミ

 

見捨てられた果樹園には、巨大なハツカネズミや猫ほどもあるドブネズミが腐った果物を食べながら暮らしていました。


放置された家具 


被曝した森林

 

松の木、特に春に育つ時期のものは、いとも簡単に放射能に殺されてしまいます。

 事故後、チェルノブイリの周りにあった何百平方マイルにも及ぶ松林は枯れ、その針葉は赤く変わり、赤い森として知られるようになりました。

 

松や、他の常緑樹は一年中その針葉をつけるため、冬が来る前に葉を落とす落葉樹よりも多く汚染を蓄えました。

 

■除染作業による被曝症状

 

 この仕事(除染作業)はとてもきついもので、マスクを着けていたにも関わらず放射性の塵を吸い込んでしまったことから、この作業は私たちの健康に深刻な影響を与えました。

 

多くが体験した被曝の症状は、頭痛、嘔吐と吐き気、悪寒、発熱、失神、衰弱と眠気でした。

泣く女性 


■中絶した胎児と放射能により腐敗しない遺体

 

 (ナタリアは廃墟と化した病院で中絶された胎児たちを見つけます。)

 

 缶の中には、チョコレート色の「ミイラ」化した胎児たちが目を閉じ、腕と脚をたたまれて入っていました。約4ヶ月から8ヶ月目の胎児たちではないかと思いました。(中略)

 

 放射能によって、一年半以上経っても腐敗していませんでした。事故に伴い、奇形児や病気の子どもを産まないために、当局は妊婦たちに中絶を勧めていました。

 

■放射能による性欲の増強と精神障害

 

 (除染作業は)一人の女性に1000人の男性という比率でしたので、チェルノブイリでの暮らしは女性にとって難しいものでした。

 

ある時期においては、高い環境放射線レベルの影響で、年配の女性も含めて性的衝動が強くなるようでした。中には、私たちが「勤務時間家族」と呼ぶ、任務を共にする間カップルになる男女もいました。

 

こういった関係の中には、立入り禁止区域内での仕事が終わるまで続いたものもありました。

 

当局は、勤務時間家族がストレスを軽減すると考え、ホステルにプライベートの個室を与えました。

 

しかし、チェルノブイリは多くの結婚を破壊しました。立入り禁止区域で二、三年いた後、多くのリクィデーターが神経系に問題を抱え、抑鬱状態は特に男たちをアルコール依存症にしました。

 

酒浸りの日々は妻と家族を遠ざけ、後に待っていたのは離婚でした。

奇形児


■巨額な医療費の増大

 

免疫系の放射線障害によって、人々は風邪や伝染病、ガンを含む慢性疾患に感染しやすくなりました。

 

多くのリクィデーターたちと同じく、私も「チェルノブイリネックレス」を「身につけて」います。甲状腺手術によってできた喉の下の方にある傷跡です。

 

チェルノブイリで働いている間、ろれつが回らなくなる、記憶がなくなる、平衡障害を起こすといった経験をしました。

 

上司の一人と私は、お互いの物忘れがひどかったので、約束や期日について確認し合うようにしました。しばらくの間、ひどい健忘症に悩まされていたので、母に送った手紙を読み返して記憶の穴を埋めていました。