二酸化マンガンは、アリルアルコールやベンジルアルコールを酸化(一級だったらアルデヒド、二級だったらケトンへ)する非常にマイルドな酸化剤です。
多様な溶媒中で室温もしくは加温下で反応が進行します。
反応を仕込むのも簡単ですし、後処理もろ去して濃縮なので、非常に重宝します。
ところでみなさんはどこのメーカーさんの二酸化マンガンを使ってますか?
二酸化マンガンはいろんなメーカーさんで市販されていますが、メーカー、ロット間で活性にばらつきがあることが知られています。
そのなかで私がいつも使っているのは和光純薬さんの『二酸化マンガン、化学処理品』です。
これはすごく活性が安定しています。
もう私はこれ以外買いません。
これは歴史をさかのぼると、元名古屋市立大、現名城大学の塩入孝之教授が見出したものらしいですよ。
塩入先生といえば、日本ペプチド学会理事や日本プロセス化学会理事などを務めていた著名な先生で、DPPA(ジフェニルリン酸アジド)、DEPC(シアノリン酸ジエチル)、TMSジアゾメタンなど様々な有用な試薬を開発していますね。
普段当たり前のように使っている試薬も、その歴史をたどると意外な事実がわかってきておもしろいですよ。
えっ、これってあの先生が開発したんだー!などの発見があります。
機会があったら是非調べてみてくださいね。