はじめまして。


本日からブログを始めました。


私は某企業の研究員で有機合成をしています。


このブログでは研究員として日常に起こる疑問や有機合成におけるホットな話題に触れていきたいと思っています。


皆様よろしくお願いします。




さて、今回は酸化反応について。


最近、あるアルコールのアルデヒドへの酸化を検討していまして、なかなかうまくいかない状況でした。


アルデヒドへの酸化にはたくさん便利な方法が知られています。


よく使われるのはDess-Martin酸化、Swern酸化やSO3Pyに代表されるDMSO酸化、TPAP酸化などがありますね。


もちろんこれらは検討しました。


他にも金属を使った酸化もありますが、なんせはじめの方の工程なのであまり多量の金属は・・・。


しかも楽ちんな方法はないだろうか・・・。


そこで今回注目したのは、AZADO!!


東北大の岩渕教授らが開発したAZADO(azaadamantane-N-oxyl)です。


J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 8412.


いろんな学会で発表されていて、前から気になっていたんです。


これはニトロキシルラジカル型酸化触媒で、いわゆるTEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine N-oxyl)と同タイプのもの。


ただこれのすごいところはTEMPOの20倍以上の活性を有すること。


しかも、TEMPOとは異なり嵩高い2級アルコールの酸化にも非常に効果的らしい。


反応条件はTEMPOのときと同様で、共酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム(NaClO2)もしくはPhI(OAc)2を用いる。


最近、AZADO類は和光純薬さんで売られています。(Wako Organic Square No.26を参照)


ちょっとお値段は高いですが、触媒活性が高いので(0.01mol%でもOK)良いかな。




さっそくその気になり、注文!


上司の承認もクリア!


ということで週明けにさっそくトライしますよ。


使ってみた感想はまた報告しますね。


乞うご期待!!