往年のNEC製スリムタワー"PC-VT500/4D"を修理する | ZFS free space

往年のNEC製スリムタワー"PC-VT500/4D"を修理する

 課題とテストが重なり、しばらくがんじがらめにされていた筆者ですが、ようやく最も大変な日を乗り切って一息つけました。その間にX121eが発売されたり、FINAL TERA DAYの情報が公開されたりと忙しい時期に限ってイベントが発生するのはやめて欲しいものです。X121eの方は店頭で触れるまでいましばらくの辛抱ですね。22日にはFF14の1.18パッチがリリースされますが、プレイ時間がとれるのか正直怪しいです。TERAに関しては30日のイベントに申し込みました。早速TERA LEADERになったことを実感しています。あとはAlienware欲しいなぁ。


 閑話休題。最近久々にメーカー製PCの修理依頼を受けました。問題の品はNECのVALUESTAR-T PC-VT500/4Dです。HDDが壊れてOSが読めない状態で我が家にやってきました。古いモデルなのでどれほど需要があるのかいささか疑問ですが、せっかくなので簡単にレポートしていきます。
 VT500/4Dはアナログチューナーを搭載したテレビを見れるモデルです。録画もできるようで、発売当時はきっと便利だったのでしょう。ただ、ご存じのようにアナログ放送がもうすぐ終了するのでせっかくのチューナーも無用の長物となってしまいます。CPUはPen4 2GHz。年代相応ですね。メモリは本来256MBなのですが、1GBに増設された状態でやってきました。チップセットは往年のSiS651で、メインメモリと共有のVRAMは最大64MB。XPを動かす分には十分でしょう。

とりあえずいろいろ丁寧に外した状態

 内部の埃があまりにひどかったので、CPUクーラーや電源も全て一度外して内部を掃除しています。本来はSocket 478のリテンションをとる必要はありませんが、確認したところ4本あるツメのうち2本が折れていたので交換のために外しました。CPUファン及び電源ファンも長期間の使用で大分ガタがきていたので交換しました。CPUはクーラーごと新調。電源ファンは冷却効果を重視してあえて吸気で取り付けます。ただ、通常の25mm厚ではなく、20mm厚が使われていたので代替品を探すのに苦労しました。最終的にはAINEXの15mm厚のものを使っています。

なぜかCPUがリテンションの真ん中に来ない不思議設計


新規クーラーは定番のROSA

 左が元のヒートシンク、右がROSAです。こうして比べてみるといかにもROSAの方が冷えそうです。ちなみに、ROSAは7mmファンですが、元のものには6mmファンがついていました。

HDDは冷却を考えて2.5"


 これが後々仇となります・・。

ドライブも交換

 左が旧、右が新です。ちょっと奥行きが短くなって取り回しが楽になりました。元々はHDDもODDもIDE接続のものでしたが、せっかくなのでSATA接続にリプレイスしています。

パーツを組み込んだところ

 古いモデルでマザーボードにSATAコネクタがついてないのでPCIインターフェイスカードで増設。拡張スロットはドーターカードを介してPCIが3本刺せますが、帯域を考えると無茶はできません。ちなみに、LANカードは元から拡張カードとして刺さっていてびっくりしました。拡張カードなのに100Mbというところが時代を感じさせます。残念ながら比較画像がないですが、SATA化によって元に比べて大幅にすっきりしました。

おまけ: 使い道のなくなったアナログチューナーカード



 この後OSを入れなおして復旧完了。ただ、二点ほど問題があったりします。一つ目はサウンドドライバを正常にインストールできないこと。使われているデバイスはSiS 7012で間違いないと思うのですが、ドライバのインストール中にエラーが出てNG。いろいろ試してみているのですがお手上げ状態です。
 二つ目はHDDの速度の問題。症状としてはPIO病に近いものがあります。今回、SATA移行にあたりWD3200BEVT+SAPARAID-PCIという組み合わせを使ったのですが、WD3200BEVTはSATA2.0対応、SAPARAID-PCIはSATA1.0対応なのです。そのせいか、読み込みの速度低下が著しくベンチをとると悲惨な結果となります。WD3200BEVTの方にジャンパがついていれば良かったのですが、どうやら転送速度を自動判定するモデルのようでどうしようもありません。皆さんも十分気を付けてください。せめてもの救いは、ブラウザのキャッシュはRAMDiskに放り込んでいるので関係なく、Office等の利用でもCPUに引っ張られて殆どHDDの遅さを体感しないことでしょうか・・。依頼主曰く、普通に使っている分には以前よりよっぽど快適だそうで。

こちらがHDD

こちらがRAMDisk

 これぐらいあるとネットサーフィンはサクサク・・と言いたいところですが、CPUが非力でなおかつRAMDiskにCPUを持って行かれるので残念ながらそこまで早くはならないです。

 ちなみに、Pen4 2GHzがどれぐらいかというと、GOM PLAYERでDVDが問題なく再生できるレベル。動画も480pまでならといったところで、HDでは全く歯が立ちません。Microsoft Security Essentialsを導入しているとさすがにシングルコアではつらいものがあります。オフィススイートをはじめとした軽いソフト専用ですね。なお、英雄伝説VIやタイピングオブザデッドのような軽いゲームなら設定を落とせば普通に遊べます。今後このクラスのマシンを入手する人は少ないと思いますが、時代の流れを感じながらサブマシンとして使うのも案外楽しいかもしれません。筆者は一連の修理作業が思いのほか楽しくて、この記事も修理したてのマシンで書いてたりします。