さて、パート1の続きです。
今回は出産そのものでなく、観れなかった長男の運動会の話がメインです。
刻々と手術の日が迫ってきて、それでも動く気配のない次男。
保育園で先生や保護者の方との会話でも、運動会までに逆子が治るかどうかみたいな話題が増えていきました。
保育園最後の運動会を観たい、という気持ちは誰もが共感してくれました。
せめて予行演習だけでも観れたら。
運動会は祝日でしたが、予行演習は平日。
仕事をしていたら観れないけど、すでに産休に入っているわけだし。
先生に予行演習の日を聞いてみたらば
なんと手術前日の入院日と重複!!ヽ((◎д◎ ))ゝ
このままだと予行演習も観れないのね…
こうなったら普通の練習でもいい!なんとかして鼓隊演奏の様子だけでも観たい!
先生に話したところ、あっさり
「いいですよ~」(‐^▽^‐)
と、言うわけで予行演習の前日に練習風景を見せてもらうことにしました。
ちなみに長男の担任の先生は、長男が2歳児クラスの時にも担任をしてもらってました。
そのころクラスは早生まれの園児だけの12名。
後にも先にもそんな少人数のクラス編成って聞いたことないのですが、少人数だけにとってもアットホームなクラスでした。
そんなこともあり、先生は長男のこともわたしのこともよく分かってる方でした。
わたしより5歳くらいは年下だけどしっかり者の先生。
うちの保育園は3歳児になると、年少から年長までの縦割り編成になります。
縦割りで3クラスに分かれます。
そんな中でまたその先生の担任のクラスになったことも、さらに年齢別にも過ごす時間でも、その先生が年長の担当だったことで事情はよく分かってくれてました。
練習風景を見学に行く前の前日、なんだか先生から言いにくそうに切り出されました。
先生 「あのぉ~お母さん、明日なんですけど…(^o^;)」
わたし「な、何かΣ(・ω・ノ)ノ!」
先生 「いえ、あの~、今日も鼓隊演奏とか練習してみたんですけど、結構ボロボロで…。もう少しパート別に練習した方がいいかもしれない状態なんです。明日もあまり期待できないと言うか…(;^_^A」
先生!そんな心配なら無用です!
(長男については悲しくなるくらい)免疫ありますから!
一瞬、練習も見学できなくなるのかと思いました。
上手じゃなくたっていいんです…。
観られるだけでいいんです…。
で、翌日ドキドキしながら練習場へ行きました。
9月半ばの秋晴れの日。
練習は、保育園の近くの高校のグランドであります。
運動会当日の会場もそこです。
運動会の日も思うんだけど、日陰とかなくて暑いのよね~。
練習は給食が終わってから3時くらいまで。
年長さん以外はお昼寝の時間です。年長さんだけがこのグランドで練習するのだと思います。
おお~、みんな楽器や旗を持って練習してる。
本番はさらに衣装を着るのよね。
ああ、やっぱり本番が観たい。←未練タップリ
わたしの姿をみつけると、たくさんの保育士さんたちが
「おかあさ~ん、ここですよ~」と声をかけてくれました。
ベテランの主任保育士さん風の先生が
「おかあさん、今から鼓隊演奏の通し稽古をするのでこちら(特等席?)へどうぞ(^-^)」
と、本番なら園長先生が座るような本部席位置へ案内してくれました。
少しの静寂の後
ピー
っと笛の音が聞こえ、それを合図に一人の女の子が走ってきてみんなに手を振り、指揮をとりはじめました。
あ、あれは(アットホーム時代クラスで一緒だった)Aちゃんだ!
わが子じゃなくても涙腺緩んじゃいました。
そして音楽スタート。
曲は「虹の向こうに」とコブクロの「蕾」。
行進が始まり
楽器の音が鳴り響く。
ビデオを撮りながら、なんだかすでに涙が…。
先生は前日「ボロボロ」なんて言ってましたが、そんなこともなくとってもとっても上手でした。
照れ屋な長男はこちらをチラとみて知らぬふりしてましたが、演奏はわたしが思っていた以上に上手でした。
正直驚きました。
終わった後、ベテラン保育士さんも「みんな、上手だったね」と言ってました。
その後、グランドの端の方でほかの練習も見せてもらいました。
長男のお友達は結構こちらに親しげに声をかけてくれるのに、長男は相変わらず知らんぷり。
長男らしいです。
しかしその日は暑くて…
本当に暑くて…
ちょっと、バテてきましたヽ(;´ω`)ノ
毎年残暑厳しい9月の終わりの運動会当日、午前中だけなのに暑くてグッタリ。
その日はさらにそれより暑い時期、正午過ぎの暑い時間。
妊婦にはキツイワ~!(´Д`;)
ふと周りを見ると、長女の担任の先生もいました。
本当なら、お昼寝の時間で、一番先生方がゆっくりできる時間帯。
ほかにも年長さん関係以外の先生が何人も。
合間合間に担任の先生が
「お母さん、次にリレーやりますから」
「お母さん、つぎはバルーンやりますから」
と競技の説明をしてくれました。
今日はいっぱい練習するのね、ラッキー
なんて、思ってたけど…
そんなわけないっ!( ̄□ ̄;)
ほんとうはほかに練習したいこといっぱいあるはずなのに。
本番に来れないわたしのために、全部の競技をやってくれているんだ。←後で気づいた
暑い中、子どもたちは一生懸命練習していて。
先生方もあちこち走りまわったり準備したり。
ほんとうにほんとうにみんな一生懸命で。
観てるうちに目頭が熱くなって。
なんだか自分の目に入るのが汗なのか涙なのか分からない…。
帝王切開の入院を翌日に控え、手術への不安や恐怖のあった自分。
こわがっていたことが、なんだかバカらしくなってきてました。
子どもたちも、先生も、毎日暑い中、こんなにこんなに練習してるってのに。
こんなに頑張ってるってのに。
こんなに勇気をもらって、こんなによくしてもらって、
幸せだよ。
わたしも。
お腹の赤ちゃんも。
帝王切開の何が怖い?
それは赤ちゃんに会うための、世界で一番幸せな手術。
なんでそのことに気がつかなかったんだろう。
もし逆子でなかったら、きっとこんな経験は一生できなかった。
先生も、子どもたちも、普段どんなに頑張っていたか知ることはなかった。
頑張るからね!お母さん
勇気をたくさんたくさんもらって、翌日わたしは入院しました。
パート3に続きます。