こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
【激動の1ヶ月編】21 あの引越会社が倒産に至るまで
★タイムリミットを向かえて破産に至るまで⑧
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ほとんどの従業員がその怒りを充填した状態で、
大阪本社にて最後の説明会が始まったのです。
参加者は各営業所からのスタッフを入れると70~80名は居たでしょうか。
2008年10月5日(日)
時計は午後7時を指していました。
説明会の議事進行は私が担いました。
しかしこの時ばかりは、説明会の落とし所が見えない状況だったのです。
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今回の一連の流れを全員に説明した後、質疑応答の時間です。
参加者は、女性社員も含めて70~80人程は居たと思います。
その日は夜も遅くなるでしょうから、
全体説明を早めにして、女性社員の方は早めに帰ってもらおうと考えていました。
家族もいらっしゃるでしょうし、子供さんを抱えた方も大勢おられましたから。
初めに私の方から、
今回の倒産に至った経緯、
支援先企業との交渉の経過、
資金繰りの悪化の詳しい事情、
残されたスタッフの再就職の斡旋など…
説明できることは全て説明しました。
そして女性社員にこう呼びかけました。
「今までの話しが今回の全ての経緯です。
遅くなれない方は帰って頂いてもイイですよ。」
しかし、驚いたことに女性社員の全員がその場に残ったのです。
ある営業所の管理職が口を開きました。
「私たちが今日まで働いた給料はどうなるんですか?」
もっともな意見、疑問です。
当時の会社の給料支払いは、月末締めの翌々月10日払いでした。
9月10日に支払われた給料は、7月1日~7月31日までの給料です。
間もなく来る10月10日の給料は8月1日~8月31日分。
結果的に従業員は、8月1日~10月5日分の給料が支払われないのです。
「本当に申し訳ありません。」
社長の一言は、これだけでした。
みんなが口々に、
「ふざけるな!何とかならないのか?」
全く埒があかなくなってきましたので、私は財務経理担当者に電話を入れました。
「直近の資金繰り表を持ってきてくれ!」
実は財務や経理担当の数名はこの説明会に参加させていませんでした。
担当者が主導したことではなく、あの人間たちが画策したことです。
彼らが同席していると集中砲火を浴びるのは目に見えていましたから。
しばらくして担当者の一人が資金繰り表を持って入ってきました。
その資金繰り表は事前に調査しておいたのと同じ形跡が見えました。
「確かに今の会社には現金がありません。」
参加者に言った後、○○社長に こう告げました。
「各地方の支払いを本社で一括でしているなら、
何故その地方からの売上入金が止まってるんですか?」
「東京の法人部で管理している売掛金が、何故この数カ月止まってるんですか?」
「これって意図的に東京や中四国、九州に現金をプールしていますよね?」
「東京、中四国、九州は普段通りに給料が支払われていますね!」
○○社長は何も答えられませんでした。
しかし、説明会に出席していた者は全てを悟ったと思います。
関西、名古屋、そして取引先の業者の方を捨てても、
そのほかの地方を存続させようとしていたことを。
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今回はここまでです。
時系列に従って慎重に書かなければいけないことも多いですから、
次回の更新は少し時間を頂きます。
読んでくださってありがとうございました。