こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
【激動の1ヶ月編】⑰ あの引越会社が倒産に至るまで
★タイムリミットを迎えて倒産に至るまで④
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その深夜作業は苛酷を極めました。
肉体的にというよりは、誰もが精神的に追い詰められていました。
「どうせ潰れる会社なんやしどうでもイイわ!」と言い出す者。
「適当にやって帰ろうぜ!」と、まわりを扇動する者。
「本社に殴りこみに行くぞ!」と、物騒な言葉を発する者。
立ち合いをしていた法人課長が大人しい性格だったこともあって、
なかなかこの空気を変えることができませんでした。
ただひたすら、この仕事が終わるのをジッと耐えていたのでしょう。
ただ…現場は見事に終わってきました。
深夜作業を終えて一旦帰社した後、残りの作業を全て片付けてきたのです。
素晴らしいプロ意識の集団でした。
「今回のことでお客様には迷惑を掛けられない。」
この想いだけだったのでしょう。
営業の管理職に抜擢した営業管理職は、民事再生後 間髪をいれずに退社しました。
社内で要職に就いていた者も、退社する人間が多数出てきました。
その中で現場スタッフは歯を食いしばって耐えてくれたのです。
日給払いのスタッフなら問題ないでしょう。
会社に戻れば給料を受け取れるのですから。
しかし、この先の給料がもらえるかどうかわからない月給社員も頑張ってくれました。
口々に、
「やってられませんよ!」
「今日働いた僕らの給料って ちゃんと貰えるんですか?」
そう言いながらも頑張ってくれたのです。
「お前たちが仕事を投げたらお客様はどうなる?」
私にはこれしか言えませんでした。
当時の現場スタッフの給料は、基本給+歩合給でした。
倒産する事がわかっているのに誰が自分たちの歩合を計算してくれるのか?
だれもそんなことをする状態ではなかったのです。
本人たちもそれはわかっていた筈です。
にもかかわらず、彼らは黙々とお客様にサービスを提供し続けます。
頭が下がる思いでした。
涙が出る思いでした。
しかし奴らは、こんなスタッフ達を裏切ったのです!
このスタッフと取引先の業者さんを裏切ろうと企てていたのです。
日頃文句ばっかり言っては、私としょっちゅう喧嘩していた業務の中間管理職たち。
「現場はこんな風になってるんです!」と、私に引越現場を教えてくれた配車係の者。
そして「お客さんには迷惑掛けられないですから…」と、笑って現場に向かうスタッフ。
今思い出しても、当時のスタッフを誇らしく思えるのです。
いつかいつか…彼らともう一度仕事が出来れば…
そう考えて私は今の事業を展開しています。
これはひとつの夢になるんでしょうね!
さて最後に、最近こんな話を耳にしました。
当時の役員(○○社長or専務かは想像してください)が、
「引越屋をやるのが俺の夢なんや!」
と言って、当時の業務の幹部に言ったそうです。
彼が何を夢見るとしても自由です。
しかし…
あんたなぁ…あんまりカッコ悪いこと言いなさんな!
あんた達がやったこと、やろうとしてた企ては、
何年経っても免責されることではありませんよ。
役員の経営責任を言ってるのではありません。
あなた方が故意に私の部下を裏切ったことが許せないのです。
死ぬまで十字架を背負って生きてください。
そう思えるだけの企てをしたのですから。
今回はここまでです。
最後まで読んでくださってありがとうございました。