こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
【新シリーズ】 あの引越会社が倒産に至るまで 第11弾です。
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~前回の続きから~
ひと通り仕事の報告をして職場に戻りましたが、
結果的にこれが社長とお話しをした最後になったのです。
少し早目の昼食を摂り、午後からの商談の為に会社を出ました。
忘れもしません、午後14時半を少し回った頃、
マナーモードにしていた私の電話が何度も鳴りました。
発信者は業務本部の△△でした。
「何か急用が出来たのかな?」
いつもは電話に出なければ折り返しを待つように言っているのに…
不審に思って折り返してみると、
「大変です!社長が…」
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私は急いで商談を終わらせて車を飛ばしました。
状況が変わっても変わらなくても10分毎に報告をさせていたので、
道中ひっきりなしに掛かる電話を受けながら。
私が会社に到着したのは夕方になった頃。
会社の中は大騒ぎでした。
今はこの部分をこれ以上書くのを控えます。
その後、社内に幹部連中が数人戻ったことを確認して、私は夜間作業の現場へ向かいました。
その日は大きな事務所移転の深夜の作業がありました。
当然のことながら、今回の社長の件は耳に入っている事でしょう。
不安な気持ちを抱えたまま、現場スタッフに作業させるわけにはいきませんでした。
現場に到着したのは夜の7時を回っていました。
その夜の現場はトラック20台、スタッフは50人程。
私が到着すると一斉に現場スタッフが駆け寄ってきて口々に、
「何が原因ですか?」
「大丈夫なんですか?」
「せめて社員だけにでも説明して下さい。」
「オレがわかる事は今の段階はこここまで。」
憶測で発言することが無いように、現場だけはしっかり終わらせる事を伝えました。
全ての現場が終了して各営業所に戻ってきたのは午後9時過ぎ。
いろいろな方が出入りされる中で、現場スタッフには緘口令を出しました。
本社の下の営業所でもスタッフの口数は少なく、
悲しみと不安から、皆が悲痛な面持ちだったのを覚えています。
その日の夜遅くに記者会見が開かれました。
記者会見の席上で、○○専務は今回のことを説明されていましたが、
その内容は真相とはおおよそ遠くかけ離れたものであったことは誰もが容易に想像できることでした。
しかしそのような説明をせざるを得なかった○○専務の心境を推し量ることすら出来ないくらい、
当時の私達は切羽詰まった状況だったのです。
ひとつ変わった事と言えば、○○専務が当日中に社長に昇格されました。
自宅に帰ると妻は一言だけ私に言いました。
「大丈夫?」
日頃は仕事のことに一切口を出さない妻でしたが、
彼女なりに、いろいろな意味を含んだ【大丈夫?】だったのでしょう。
「大丈夫やで!」
一言だけ言葉を交わすと、その後はお互いに一切この話しはしませんでした。
見ていた全国ネットのニュースでその日の事が伝えられていました。
しかし私は、そのニュースが何を意味するのかも理解できない状態でした。
翌日の朝、少し早目に会社へ向かいました。
現場、営業、内勤者…全てが不安を抱えての出勤だったはずです。
社内は始業前から大変な状況でした。
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今回はここまでです。
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