松田選手の死去に関して | ゼロからのマラソン挑戦日記

松田選手の死去に関して


ゼロからのマラソン挑戦日記


最近は忙しくてブログもさぼりがちでしたが、今回の件は僕自身も気になっていたので更新することにしました。


松田直樹選手、残念ながら本日お亡くなりになりました。

元日本代表の現役選手が亡くなったニュースは非常に衝撃的でしたが、何よりも驚いたのが、その死因です。

急性心筋梗塞

循環器、いや他の科の疾患も含めて、緊急を要する非常に重要な疾患の一つです。

急性心筋梗塞のリスクは、喫煙、高脂血症、肥満、高血圧、ストレス等いろいろありますが、30代、しかも現役のプロ選手がなるのは、テレビでも報道されてましたが、非常に稀なケースです。

左冠動脈の心筋梗塞から心室細動になったと発表があったので、おそらく身体のどこかにもともと血栓があり、その血栓が飛んで心筋梗塞になったのではないかと思います。

以下に、松田選手が倒れてから病院に搬送されるまでの経過を記しておきます。



8月2日 9時52分
梓川ふるさと公園でランニング開始(山雅FC公式発表より)


8月2日 9時57分
ランニング終了(山雅FC公式発表より)



8月2日 9時58分
脈拍を測りながらストレッチを行っている途中に松田直樹選手本人から突然体調不良を訴え、その場に倒れ込む。(山雅FC公式発表より)
3キロ走を終えて、「やばい、やばい」と言いながら横になって倒れた。(日刊スポーツニュースより)
約3キロの距離を走った後、「あー!だりぃー!」と言葉を発して仰向けにこん倒。(スポニチニュースより)



8月2日 10時3分
救急車を要請。(山雅FC公式発表より)
練習を見ていた看護師の女性が心臓マッサージを施し、救急車が来るのを待つ。(日刊スポーツニュースより)



8月2日 10時13分
救急車到着。出発までの12分間に人工呼吸・心臓マッサージ・AED処置を行う。この時、既に松田選手の意識は無いとのこと。(山雅FC公式発表より)



8月2日 10時25分
救急車がグラウンドを出発。(途中でドクターカーに乗り換える)(山雅FC公式発表より)



8月2日 10時50分
松田選手が信州大学付属病院救急救命センターに到着。この時、既に心肺停止状態だった。(日刊スポーツニュースより)

その後、急性心筋梗塞と診断され手術を受け、微弱ながら心臓の鼓動は戻ったが、人工心肺装置をつけ意識不明の重体が続いている。(スポニチニュースより)


みなさんに知っておいてほしいのは、心筋梗塞についての正しい知識です。

マスコミの報道では“練習会場にはAEDが設置されてなかった”と盛んに強調されてますが、今回のケースではAEDを使用してもあまり効果がなかったのではないかと思います。

そもそも、AEDは心室頻拍や心室細動など、心臓の電気信号が異常になった際に初めて効果を発揮します。

10時13分に救急車が到着してからAEDを使用していますが、その後心肺停止に至っていることから、今回はAEDは適応外になったと思われます。

AEDがあれば必ず助かると思っている方がいれば、ぜひその認識を改めてほしいです。


心筋梗塞の治療は、一刻も早く病院に行って心臓に詰まった血栓を取り除く(カテーテル手術orバイパス手術)、これに尽きます。

30分以上続く胸痛は心筋梗塞の可能性があるため、もしそういった症状になった際は一刻も早く救急車で病院に行ってください。

松田選手の場合、惜しむらくは病院搬送まで52分かかったということです。

心筋梗塞を発症した場所が大学病院のすぐ近くであれば、もしかしたら結果は変わっていたのかもしれません。

たらればを言っても仕方ありませんが、今回は本当に残念な結果になりました。

松田選手の天国での活躍を、心からお祈りいたします。