monster


去年うっかり見忘れていて、DVDになったところをゲット。

2003年のアカデミー受賞作。主演のシャーリーズ・セロンが、10kgも体重を増やし特殊メイクを施して見事なまでの別人格を演じきったコトで、話題になっていました。まずは、どんなに彼女が凄いのかを見るのに注目していたんですが、最終的には映画のストーリーにノックアウトされました。
「ダンシング・イン・ザ・ダーク」にもあった、不幸なものは更に不幸を招いてくるといういわば「バッド・スパイラル」的アレの感覚なんです。このハナシが、実際におきた事件で実在の人物がいたというから、余計にさもしい気分になりました。

ストーリは、簡単にいうと↓である。。

アメリカの片田舎でヒッチハイクをしながら、売春を続けるアイリーン。夢も希望も失った毎日にうんざりしていたところ、一人の同性愛者の女の子セルビーに出会う。真の愛情に飢えていた彼女は、セルビーと生活をともにはじめ平和な時間を過ごすことになるが、アイリーンが誘われた客からひどい仕打ちを受け命からがら逃れる途中に客を殺してしまう。その出来事をさかいに彼女は、客を誘っては殺し続けることになる。最後は捕らえられのだが、アイリーンはセルビーをかばう一心で全ての事件は自分だけがやったと自白し、アメリカで至上2番目の女性死刑囚となった。

モデルとなったアイリーンは、6人も男性を殺したことからも「モンスター」と呼ばれ捕まった後でも汚い言葉を裁判上ではきかけたり、虚言を行ったりとマスコミから話題にされたとか。
この映画は、単なる事件性を捉えるだけでなく、アイリーンの独白のスタイルで始まり、なぜこうまでなってしまったのかを彼女の視点で振り返っているところが、興味深い。彼女の境遇をまですれば、自分に暴力をふるってくる男たちはすべて「敵」に見えてしまうのは避けられない気がするのだ。彼女の中に昔からくすぶり続けた感情が爆発してしまったのも、必然的な流れで描かれており、この作品の監督(女性です!)は、きっと彼女の生き方にある意味では共感をし、ゆがんでいるアメリカ社会の奥底(小児性愛や女性蔑視など)への問題として取り上げたかったのではないでしょうか?
アイリーンの境遇についての解説ページ

アイリーンの愛し愛されたいという気持ちの刹那さも痛いほど伝わってきます。(シャーリーズと、セルビー役のクリスティーナ・リッチのラブシーンがあったけど非常にきれいに描かれていました。)女性監督ならではの表現ならではなのかもしれません。

一杯書きたいことはあるけど、テーマが広いだけにまとまらずで。。
まずは、一見の価値はあります。みなさんがどう思われるかは?観た方は感想をお聞かせください。


モンスター公式ホームページ