忘却って…
最近、ふと考えたら…公開していない記事がありました。
もう夏だよ! 遅い…って感じで、紹介しましょう。
ここは、石川県金沢市の郊外、山間部にある湯涌温泉という場所です。
平成12年(2000)に開館しました。(入館料は大人300円、高校生以下無料)
大正浪漫という言の葉を思い出す…『竹久夢二』さんに由来する展示館があります。
全国には、夢二さんに縁ある土地も多いですね。
竹久夢二、彼が生まれたのは明治17年(1884)9月16日…初秋の風が吹く頃でした。
もうすぐ夢二さん誕生から130年にもなろうとしています。
お父上は菊蔵さん、母は也須能さんの次男として生まれる。姉は7歳の松香さん。
(岡山県邑久郡本庄村大字本庄119番)
そして、亡くなったのも昭和9年(1934)9月1日…本名は竹久茂次郎さんと申されます。
近代のグラフィック・デザイナーの先駆者でもある画家にして詩人なのでした。
まさに大正浪漫といえば竹久夢二というほど…抒情的な作品で知られます。
どこか儚げでアンニュイな面影の美人画は、夢二式美人と呼ばれることも。
挿絵画家として活躍した夢二のモデルは妻だった…たまき(他万喜)さん。
繊細に人の心を描いた詩歌は、当時の児童向け雑誌の挿絵としても…
彼の才能は文筆などの世界にも花を咲かせ…その詩は、歌謡曲や童話にもなりました。
詩といえば、『宵待草』がありますね。
♪大衆歌となり愛され続け、いまも日本の愛唱曲として忘れ去られぬ名曲♪。
待てど暮らせど~来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな…♪
書籍には彼のデザインによる装幀もあり、広告宣伝物や日用雑貨に留まらず服飾では浴衣にまで意匠が残ります。
下の絵は、彼の作品 『黒猫を抱いた女』ですね。
夢二館の正面玄関…脇に立っている絵は、乙女二態の今様美人(大正初期に描かれ)
今…それは大正時代ということで、対となる元禄時代の日本髪女性の絵がありますけれど。
お迎えしてくださいますよ。
(この館内は撮影禁止となっておりますから…ここまで。)
あのぉ… そこの貴方?
もしや…夢二さんを御存知ありませんか。
竹久夢二さんの銅像でした!。
思わず同じポーズをしてしまいました…。(並んで撮影した写真は内緒に^^)
これは…鯉のぼりのディスプレー(何月か?季節がわかりますな^^)。
夢二館の外壁にある陶板、どこか大正…的な、異国情緒も。
不思議なアートの絵柄…何でしょうね?。
表示板の示す…方向には、氷室小屋(江戸時代には雪や氷を真夏まで蓄えて献上品に)
毎年6月末には詰め込んだ雪を取り出す(氷室開き)という伝統行事がありますよ。
側にある薬師寺の境内には、薬師堂源泉臼があります。
湯涌に逗留中の夢二さんが最愛の女性である彦乃さんとの愛を詠んだ…
夢二の歌碑もありますね。
『湯涌なる山ふところの小春日に眼閉ぢ死なむときみのいふなり』
…という詩が自然石に刻まれた歌碑があります。 そこは…夢二の歩いた道。
そういえば、私が文章で多用する・・・表現も気だるく曖昧で…アンニュイでもあるつもり・・・
周辺を散歩するにも良いコースですね。
温泉の足湯場もあります。
癒されますからね。