私も時代劇が好きなんです。 それもNHKの時代物がいいですね。
大河ドラマにはない身近な楽しさがあります(へんな色気がないところがいい)。
お気に入りの傑作は、
土曜時代劇 『陽炎の辻』 その3…です。
佐伯泰英さん原作の 『居眠り磐音 江戸双紙』 より
(テレビ画像で、すみません)
主人公は、『坂崎磐音』 山本耕史さんの好演が光ります。
舞台は江戸時代、深川の町。 人々が懸命に生きる人情豊かなドラマ。
坂崎磐音という人物。 居眠り剣法?とは、彼を知ったのは偶然のことでした。
途中から見始めましたが、瞬く間に引き込まれる心地よい江戸の日常。
1、2シーズンの庶民的な優しさがいいですね。
過去の経緯で、その心に深い傷を負いながらも、人を守り爽やかに生きる。
誰にも優しく温かい人柄、その卓越した剣の技で正義を貫いていく。
卑劣な権力者の罠、敵の豪剣すらも~流水の如く受けながし打ち倒す坂崎磐音。
今回は、幕府内部に勃発した権力闘争の渦中に巻き込まれ…
凶暴な敵の忍び集団が卑劣に闘いを挑んできます。
ユーモアと人情の溢れる時代ドラマの魅力は、客観的に現実社会を俯瞰する。
『陽炎の辻』 激闘編。
お日様のような~坂崎磐音。
そんな穏やかな笑顔を浮かべ…人を日溜まりのような気持ちにさせる。
坂崎磐音の剣は、月夜に精彩を与える活人剣。
どこまでも蒼白い月光を受け…天才的な剣の腕は冴え渡る。
居眠り猫の如き…静から、
苛烈な動に転じて瞬時に敵を打ち倒すものの
決して戦いを好む者ではない彼は、自らの背負う悲しい運命と向かい合う。
陰と陽…静と動、そんな二面性を感じさせながら、あくまでも人として生きる。
磐音と夫婦の約束をした…『おこん』など魅力的なレギュラー陣による明るく賑やかな江戸双紙。
近藤正臣さんが演じる『由蔵』深川の両替商今津屋の使用人達の元締め役。
主人の吉右衛門からお店を任され、実質的に今津屋を取り仕切っています。
大江戸の経済事情に精通している人物で、磐音のためには一肌脱ぎます。
お守りする今津屋の後継者誕生を心待ちにするナイスガイ。
いかなるときも己より隣人の幸せを願う生き方。
そして、渡辺いっけいさんは『両替商今津屋』の主人~今津屋吉衛門の役。
江戸の両替商を束ねる両替商行司の今津屋の主人。
多くの大名、旗本に貸付を行う豪商です。
磐音の人間性を高く買い、その後ろ楯となってくださっています。
前妻を亡くしておられ、磐音が薦めたお佐紀さんと再婚している。
やはり~おせっかいな長屋の仲間達が楽しく活きいきと描く江戸ライフ。
お世話になる、金兵衛長屋の大家『どてらの金兵衛』を演じる小松政夫さん。
大事な娘のおこんが、ようやく磐音と夫婦になると喜びもひとしお。
磐音と同じく金兵衛長屋で暮らす仲間達。
宇梶剛士さんは、子だくさんの貧乏浪人『竹村武佐衛門』磐音の用心棒仲間。
川村陽介さんは、貧乏御家人の好青年『品川柳次郎』。
他、書ききれないくらい~楽しく魅力的なキャストが多数出演
時代劇といえど、暮らしは現代社会の縮図ともいえます。
なにかと見習わなければならぬ、私達が忘れてしまった生き方を感じます。
坂崎磐音は、豊後関前藩に於ける家老の跡取り息子でした。
元の国家老が張り巡らせた陰謀に遭い、いまは藩を離れて江戸で浪人暮らしをしながら5年の月日。
日々の暮しの糧ため、鰻屋では鰻割きのバイト?に精を出す姿は立派。
両替商今津屋では腕利き用心棒として糊口を凌いでいます。
当時の許婚だった奈緒とは別れ、いまは今津屋で働くおこんと夫婦になる約束を交わす。
幕府を牛耳ろうと暗躍する老中『田沼意次』と敵対関係となり、磐音を暗殺すべく送られてくる刺客から命を狙われます。
それは~ともかく、ひたすら黙々と食べ続ける食いっぷりは見事な御方(笑)。
金兵衛長屋の大家~金兵衛の娘で両替商今津屋で働くキャリア?ガール。
中越典子さん演じるヒロイン『おこんちゃん』
深川小町と呼ばれ、深川~両国界隈では評判の美人で世話好きなチャキチャキの江戸娘。
出遭ったときから磐音一筋。 やはり夢見る乙女です。
ついに磐音と夫婦になる約束を果たしたが、二人の結婚には、まだまだ乗り越えねばならぬ険しい障害が…。
満月を見つめる彼女の胸に去来するものは…。
江戸に来て~流浪人に徹していた『坂崎磐音』の下町ライフ。
今回は『磐音』にも試練もあれば、春も来る…。
剣の師匠で江戸一の直心影流、佐々木道場の道場主『佐々木玲圓』から
後継者にと望まれるお話しも。
両替商今津屋からは、ヘッドハンティング?のお誘いまでありますから(笑)。
十代将軍の跡継ぎである家基様の旅を警護する役目を果たす『磐音』。
身分の違いはあれ、磐音の戦い方と人柄に~友情のような感情も芽生え。
野辺では…天空に舞う鳥を眺めながら旅と人生観の話しなど。
また、家基様も将来が楽しみな高潔で清々しい人物。
いまの日本にもリーダーとして必要な若者です!。
『ごちそうさまでした』 その感謝の心が美しい。
春の陽の中で…ゆっくりと時は過ぎていきます。
お二人は親友?~まるで兄弟のようですね。
どこまでも高く…遥かに高く空のような心でなければならぬ。
江戸時代、封建社会は異質に感じようと…
ドラマの底辺に流れるのは~どこまでも人間と人間の絆の大切さ。
むしろ高潔な生き方が尊ばれる。 愚かさも弱さも人が負ける理由にはならぬ。
自ら勝ち取らず~守り築かぬ『自由』を破綻させている現代人には必要です。
毎回30分の連続ものであることも親しみやすさ。
深川の漬物やさんの娘~成海璃子さんの『こいちゃん』が活躍する土曜時代劇!
『咲くやこの花』も百人一首を題材にした作品です。
また、山本耕史さんが主演で、赤穂浪士と敵方の吉良家を守る立場を描く
『薄桜記』も哀しく良いドラマでした(視点を変えるとストーリーは無限)。
NHKのドラマは、制約があるからこそプレーンで面白みのあるドラマ作りができる気がします。
慎ましく質素であっても、相手を思いやる気遣いが人を高める。
町民と武士の階級という格差を踏まえても…人は精一杯に生き抜くのです。
愛は普遍のテーマ。 時代劇?という世界観で描くところが新鮮です。
小道具や時代考証を鑑みることは揚げ足取りみたいで無意味ですから。
自由の意味すら踏み違え、迷うばかりの現代人には、立場をわきまえ己を律する人々の姿が反面教師となる。
これからも良いドラマで愉しませていただきとうございます。
韓国ドラマが流行ろうと~やはり時代劇は最高。
冬ソナをブームにしたNHKさんには余計な言葉かな(笑)
【主題歌】 歌☆ 新妻聖子『愛をとめないで ~Always Loving You~』
【語り】 松本和也アナウンサー