総連つなぎ止めに焦り。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 









【金正日総書記死去】

対日論評 政治家工作で「拉致」世論に揺さぶり。





 北朝鮮が3日に出した対日論評では、野田佳彦首相が名指しで批判されたのと逆に「偉大な金正日同志の逝去に深い哀悼の意を表した」と持ち上げられた人物がいた。日朝首脳会談を行い、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部を弔問に訪れた小泉純一郎元首相だ。

 論評は、朝鮮総連の実質トップ、許宗萬(ホジョンマン)責任副議長らの訪朝・再入国を認めなかった日本政府を激しく非難する一方、「国会議員まで許氏派遣を認めるよう求めた」と強調。元首相や北朝鮮に融和的な議員を宣伝に使った世論工作を仕掛けようとの思惑がにじむ。日本で拉致問題解決を求める世論が大勢の中、拉致問題は「存在せず、においもしない」と主張し、交渉を首脳会談時に立ち返らせ、早く支援を引き出したいとの焦りも透けてみえる。

 さらに目につくのがはれ物に触るような朝鮮総連の扱いだ。北朝鮮は正恩氏の母が在日朝鮮人だった出自を最高機密に指定したことが判明。朝鮮総連内の動揺も大きいとされる。新年の祝電をわざわざ朝鮮総連に送ったほか、論評でも許氏入国問題を大きく扱うことで亀裂が入った朝鮮総連との関係をつなぎ止める意図もうかがえる。


                                       (桜井紀雄)