【皇室ウイークリー】(176) | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 







「何もないけど…」被災者が折り鶴で陛下迎える。 

雅子さま、連続でご活動。




天皇、皇后両陛下は21日、お住まいの皇居・御所で、オーストラリアのギラード首相と、パートナーのティム・マシーソン氏を引見された。

 宮内庁によると、陛下はギラード首相に対し、東日本大震災後の同国の支援に対して感謝の言葉を述べられた。東北地方で活動した緊急援助隊に対しては、「雪が降って寒かったと思いますが、健康状態はいかがですか」とねぎらわれたという。

 両陛下は14日の千葉県旭市に続き、22日に被災地を見舞われた。茨城県で最大の人的被害が出た北茨城市に入り、津波被害のみならず、福島第1原発事故の影響でコウナゴ漁を自粛している大津漁港を視察された。

 被害状況を説明した大津漁協組合長の鈴木将之さん(67)によると、陛下は、岸壁に大きな漁船があるのを見て「あの船はまだ使えるの?」と質問された。皇后さまは組合長に「何が一番大変ですか」と語りかけられたという。

 避難所となっている北茨城市民体育館では、陛下が身近な人を亡くした被災者に「残念なことでしたね」と語りかけられた。皇后さまは、長引く避難生活を心配し、「歩いていますか?」「少し体操されたりね」と被災者の健康を気遣われた。

 避難所で仲良くなったという58歳から81歳までの女性5人は、新聞紙で作った大きな折り鶴を、目の前に置いて陛下を迎えた。「何にもないけど、何かしたかった」という気持ちだったそうで、陛下は「鶴がありますね」とほほ笑まれていた。

皇太子ご夫妻は先週から今週にかけて、東日本大震災に関連し、説明や進講を受けられた。ご夫妻は15日、防衛事務次官と自衛隊の統合幕僚長から、震災における自衛隊の活動について説明を受けられた。21日にも、中央防災会議の専門委員で、地震や津波の専門家である阿部勝征・東大名誉教授による進講をご夫妻で受けられた。

 宮内庁の野村一成東宮大夫は21日の定例記者会見で、今後のご夫妻の被災地などのご訪問について「両陛下の被災地へのお見舞いが連休前後に検討されていることを踏まえつつ検討する」と話した。具体的な日程は「まだお話しできる段階にない」と明言を避けた。

 野村東宮大夫はまた、7月に予定されている学習院OB管弦楽団の定期演奏会が、東日本大震災のチャリティーコンサートとなることが決まり、皇太子さまが積極的に参加する意向を示されていることも明らかにした。

 常陸宮ご夫妻は20日、東日本大震災の被災者を見舞うため、川崎市とどろきアリーナ(川崎市)を訪問された。今回の震災で、天皇ご一家以外の皇族方が避難所を訪問されたのは初めて。

 常陸宮ご夫妻は避難所の共有スペースになっている喫茶室でお見舞いされた。ご夫妻が喫茶室に姿を現されると、被災者は拍手で迎えた。ご夫妻は8つのテーブル席を順番にまわり、お二人そろって椅子に座って被災者と懇談された。

常陸宮さまは、福島第1原発事故の影響を案じられた。第1原発から20キロ圏内に住む福島県南相馬市の菅野妙子さん(53)に、「一時的には帰れるの?」とご質問。菅野さんが「少しだけ荷物を持ち出したが、もう戻れない…」と話すと、心配そうな表情を浮かべられた。

 常陸宮妃華子さまは母親や小さな子供たちに優しく話しかけられた。2人の子供と避難している、いわき市の深澤尚美さん(30)に華子さまは「2人だと大変ね。夜は眠れる?」とお声がけに。長男の利玖くん(5)にも、「地震、怖かったわね」「ここではお友達はできた?」と話しかけられた。

 常陸宮さまは最後に、胸ポケットからメモを取り出し、お言葉を述べられた。宮内庁によると、予定していたことではなく、常陸宮さまの“お気持ち”だったという。ここで全文を紹介したい。

 「この度、皆さまには東日本の大地震と津波によりご家族や家を失い、さらに原子力発電所の事故により避難所生活を余儀なくされておられます。皆さまの避難所での不安やご苦労は、私どもの想像をはるかに超えています。これからしばらくの間、困難な日々を過ごされると思いますが、厳しく寒い冬の後に暖かい春が来るように、また蒸し暑い夏の後には涼しい秋が来るように、皆さまがお元気で地元に帰られて、静かで平和な暮らしに戻られることを願っています。今、日本中が心をひとつにして皆さんとともに頑張っています。皆さんには、くれぐれも、健康に気をつけてください」

各宮家は今週もさまざまな公務を果たされた。

 秋篠宮さまは18日、都市センターホテル(東京都千代田区)で、生き物文化誌学会事務局会議に出席された。20日には東京大学総合研究博物館(東京都文京区)で研究会に出席された。

 秋篠宮ご夫妻は18日、宮邸で、全国社会福祉協議会会長らから説明を受けられた。

 秋篠宮妃紀子さまは19日、日本看護協会会長から東日本大震災の支援活動について説明を受けられた。

 常陸宮さまは21日、宮邸で発明協会理事長らと懇談された。

 高円宮妃久子さまは18日、宮邸で、日本水難救済会会長と懇談された。