【東日本大震災】
【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮による日本人拉致問題解決のため被害家族への支援、協力を続けている金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員が22日、東日本大震災の被災者救援に使ってほしいと日本円で100万円を産経新聞ソウル支局に届けてきた。
義援金に添えられた手紙には「災害復旧に懸命に努力している日本政府と被災家族の限りない苦痛と悲しみをどう慰めていいか分かりません。犠牲者の皆さまのご冥福を心から祈ります。ささやかですが復旧の手助けになればと思います」と書かれている。
金元工作員は昨年夏、日本政府の招きで日本を訪れ、横田めぐみさんの両親など拉致被害者の家族と会い激励した。しかしその後、日本滞在中の扱いについて政府批判の世論があり心を痛めていた。
義援金と手紙を届けてきた夫によると、彼女は昨年の訪日について「日本政府と国民の皆さんに大変お世話になった」との感謝の思いが強く、今回の大震災に際し「日本の皆さんに自らの慰労と激励の気持ちを何とか早く伝えたい」と語っていたという。
金元工作員は現在、地方に住んでいて住所は公開されていない。