北九州 税理士
こんにちは、大神です。


「優秀な社員が欲しい」と考える、発言する社長は珍しくありません。

同じ給料を支払うのなら、
優秀な社員に支払いたいと考えるのも仕方がないでしょう。



とはいえ、「優秀な社員って、どんな社員ですか?」と聞いて
即答できる社長は殆どいないのではないでしょうか?


出たとしても、「売上を増やせる」などの業績面だと思います。



確かに、経営はボランティアではありませんから、
業績を上げてくれる社員を欲しているのは理解できます。

しかし、一般的な中小企業が、業績を上げてくれる人間を『優秀』と定義し、
雇用することは致命傷に繋がる恐れがあるんです。


例えば!ですが、もし、あなたの会社の業績が下降気味で、
そこに優秀な社員を雇用したとします。

そして、さすが優秀!といわんばかりに
入社早々に業績を上げ、トップセールスを打ち立てました。


経営者としては、自分の夢が叶った!とよろこび、
その社員をどんどん昇格・昇給させるでしょう。


そして、半年も過ぎ、売上の8割を稼ぐまでになった頃、
その優秀な社員の言動に、大きな問題が発生してきたとしたら…

「いま、その優秀な社員に抜けられたら、会社は存続の危機に瀕する」

経営者が、そのような不安を抱くころには、
その不安を経営者が抱いている事も、その優秀な社員は気づいています。


人間、様々な考え方・価値観を持っているのは言う迄もありません。

もし、その社員が、会社や経営者の気持ちを全く汲まない
自己中心的な人間だったら、どうなるでしょうか?



そうですね、おそらく優秀な社員は経営者陣に対して
色々と注文をつけてくるかもしれません。

最悪の場合、退職して、会社の経営を危機に陥れるかもしれません。



おおげさな話?と思うかもしれませんが、
こんな話は中小企業では実際に発生していますし、
あなたにとっても決して他人事ではありません。


業績を上げたいから、と"無闇"に、業績を上げられる優秀な社員を雇用しても、
後々になって会社の進退問題に直結するトラブルを引き起こす可能性があるのです。



中小企業は、社員1人あたりの裁量が大きく、
パワーバランスが崩れるのは、そう難しくありません。


このリスクを乗り越える為には…
① 『優秀な社員』の定義を改めて定義する
② 定義を改める為にも、『企業文化』を確立する
③ 優秀な社員を求める前に、まずは今いる社員を優秀にする

少なくとも、この3つが出来るまでは、
業績を上げられる優秀な社員を雇用すべきではないでしょう。