7月 25日付けのブログ
でご紹介したように、南アフリカの隣国であるジンバブエ共和国が
経済政策の失敗から、ハイパー・インフレに襲われている。 国内経済は大混乱し、政府は
今年 5月の数値から 同国 CPI の発表を中止。 5,6月とその数値は不明のままであったが、
昨日ようやくジンバブエ中央統計局 (CSO) から 7月の CPI が発表された。 その数値は、
7月 消費者物価 ( CPI ) 前月比 : + 31.6 % ( 6月 + 86.2 % )
前年比 : + 7,634.8 % ( 6月 + 7,251.1 % )
7月ジンバブエのインフレは前月比 + 36.1 % と 6月の + 86.2 % から 54.6 % の低下。
ただこれにはからくりがある。 6月下旬ジンバブエ政府はすべての商品価格を半額にすることを
国内企業に通達したことにより物価が下がっただけであり、これがなければ更なる上昇を
示していた。
前年同月比の数値は+ 7,634.8 % と、6月の + 7,251.1 % から + 383.7 % もの大幅上昇 ?!
となった。
1980年英国から独立したジンバブエはムガベ大統領が独裁政権を構築。 その後
9年前から巨大リセッションに陥り、慢性的な品不足。 特に石油と食料がほとんど足りず、
これに外貨不足が加わったことで政府が紙幣の増刷を慣行したため国内物価が急上昇。
現在世界一のインフレを記録するに至ったジンバブエ経済は身動きが取れなくなってきており、
政府は価格統制、数千名に及ぶ小売り店主・企業経営者の逮捕などの措置を取ったが、
逆に国内経済の混乱は増すばかりとなった。
市場関係者の話によると、上記政府当局発表の 7月 CPI + 7,634.8 % は 「 低過ぎる 」 とし、
物不足からくる実体経済の物価水準から推測すれば、現在の同国 CPI は 10,000 % を
越えているのではないかとの感想を述べている。 さらに先月 IMF は独自調査をし、
ジンバブエのインフレは今年末までに 100,000 % ( 10万パーセント ) にまで達する可能性が
あるとの報告書を発表している。